HR総研が発行する年次報告書「HR総研 人事白書2015」より、人材育成について一部データを引用してレポートする。人材育成に関する調査結果 第4回は「HR総研 人事白書2015」の調査で「最重要人事課題」と回答された「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」について。

 まず、採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面での課題を調査したところ、最多回答は「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」(64%)であった。次に「新卒採用」(60%)、「中途採用」(52%)となっている。そのうち「最重要課題」(択一式)を聞いたところ「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」(28%)が最多回答となり、次の「新卒採用」(13%)と15ポイントの差があった。

現在、「次期経営者候補育成」に取り組んでいるかを聞いたところ、全体で33%が「現在取り組んでいる」、23%が「取り組みを検討中」であり、半数を超える企業で対応が進行している。
ただし、企業規模別での差異は大きく、大企業(1001名以上)では50%が「現在取り組んでいる」が、中小企業(300名以下)では25%に留まっているのが現状だ。

「次期経営者候補」の選抜方法としては、「担当役員推薦」(39%)、「評価結果による選抜」(34%)、
「担当部長推薦」(22%)が全体での上位を占めているが、大企業では、「アセスメントなどのツール」(35%)の活用も目立つ。

なお、効果のある施策は「選抜型集合研修の実施」(24%)が最多回答であり、「経営者によるDNA教育の実施」(18%)との回答も目立った。

※企業規模別、フリーコメント等、詳細はログインの上、ご確認ください※

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■「採用」を上回る、「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」への課題感

まず、採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面での課題を調査したところ、最多回答は「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」(64%)であった。次に「新卒採用」(60%)、「中途採用」(52%)となっており、「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」は、「採用」よりも、多くの企業で課題になっていることが分かった。


〔図表1〕採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面での課題(複数選択)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

なお、択一式で聞いた「最重要課題」でも、「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」(28%)は最多回答であり、次点の「新卒採用」(13%)の2倍以上の回答があった。


〔図表2〕採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面での最重要課題(単一選択)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

■大企業・メーカーでの積極的な取り組み

では、課題に対する取り組み状況はどうだろうか。実際、「次期経営者候補育成」に取り組んでいるかを調査したところ、全体で33%が「現在取り組んでいる」、23%が「取り組みを検討中」であり、半数を超える企業で対応が進行している。
ただし、企業規模別での差異は大きく、大企業(1001名以上)では50%が「現在取り組んでいる」が、中小企業(300名以下)では25%に留まっているのが現状だ。


〔図表3〕「次期経営者候補育成」への取り組み状況(企業規模別)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

なお、メーカー/非メーカーを比較すると、「現在取り組んでいる」は3割強で差異はないが、「取り組みを検討中」への回答は「メーカー」32%、「非メーカー」17%と、2倍程度の差異があった。なお、社員の平均年齢は、非メーカよりも、メーカーの方が高い。平均年齢の高い企業ほど「次世代経営者候補育成」に関心が強いようである。


〔図表4〕「次期経営者候補育成」への取り組み状況(メーカー/非メーカー)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

〔図表5〕正社員の平均年齢(メーカー/非メーカー)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

■効果的な育成施策は「選抜型集合研修」、不可欠な「経営者によるDNA教育」

「次期経営者候補」の選抜方法を調査したところ、全体での最多回答は「担当役員推薦」39%、次に「評価結果による選抜」34%、「担当部長推薦」22%と続く。
企業規模別にみると、大企業では「アセスメントなどのツール」(35%)の活用が目立つ。


〔図表6〕次世代経営者候補 選抜方法(企業規模別)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

「次期経営者候補」を育成するための施策を調査したところ、最多回答は「選抜型集合研修の実施」33%、続いて「外部セミナー等他流試合への参画」27%、「メイン事業において責任あるポジションへ配置」18%であった。

企業規模別に見てみると、大企業では、「選抜型集合研修の実施」(58%)、「外部セミナー等他流試合への参画」(50%)に続く施策は、「海外体験など修羅場体験」(27%)、「新規事業等プロジェクトへのアサイン」(23%)であった。(「メイン事業において責任あるポジションへ配置」は19%)
中堅企業では、「経営者によるDNA教育の実施」(23%)が、全体平均(15%)よりも重視されている。

実施施策に関するフリーコメントでは、下記のコメントも寄せられている。

・社長が指名し、社長の指示する研修を受講させる。(メーカー/1001名以上)
・様々な部署を経験させ、会社を熟知させている。(サービス/1001名以上)
・海外子会社へ。(運輸・不動産・エネルギー/1001名以上)
・ジュニアボード制度。(情報・通信/301~1000名)
・幹部研修の実施、社長とのマンツーマン教育の実施。(メーカー/301~1000名)
・「中期経営計画策定研修」を受講し、計画立案の手法を学んだうえで自分でやれると自信があれば次期経営者候補にエントリーすることができる(所属施設長・役員の推薦は必要)。(サービス/301~1000名)


〔図表7〕実施している「次世代経営者候補育成施策」

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

なお、効果のある施策は「選抜型集合研修の実施」(24%)が最多回答であり、次点は「経営者によDNA教育の実施」(18%)であった。


〔図表8〕効果が高い「次世代経営者候補育成施策」

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【4】

企業規模別に見た「効果が高い施策」の上位は下記の通り。
【大企業】
 1位:選抜型集合研修の実施(36%)
 2位:海外体験など修羅場体験(21%)
 3位:経営者によるDNA教育の実施
    メイン事業において責任あるポジションへ配置
    子会社の役員登用など上位職への配置(すべて18%)

【中堅企業】
 1位:経営者によるDNA教育の実施(27%)
 2位:選抜型集合研修の実施(22%)
 3位:外部セミナー等他流試合への参画
    新規事業等プロジェクトへのアサイン
  メイン事業において責任あるポジションへ配置
   (すべて14%)

【中小企業】
 1位:選抜型集合研修の実施(20%)
 2位:外部セミナー等他流試合への参画(17%)
 3位:経営者によるDNA教育の実施(13%)

企業により実施できる施策・効果的な施策の差異はあるものの、「経営者によるDNA教育の実施」は、「次世代経営者候補育成」には不可欠な要素であることが伺える。

【調査概要】

調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業人事責任者・担当者
調査方法:webアンケート

調査期間(1):2015/2/25 ~ 2015/3/10
有効回答(1):146社(1001名以上:35社、301~1000名:48社、300名以下:63社)

調査期間(2):2015年2月18日~3月4日
有効回答(2):173社(1001名以上:32社、301~1000名:45社、300名以下:96社)

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