株式会社ラーニングエージェンシーは、2014年度から実施している「新入社員のキャリアに対する意識調査」の2019年度版の結果を発表した。対象は同社が提供する新入社員研修の受講者6,009名、調査期間は2019年4月2日~4月30日。新入社員の仕事とプライベートのバランスの考え方や、将来のキャリア観が明らかになった。
プライベート優先の新人・若手社員が増加傾向、成長は二極化する? 企業にできる防止策は

「仕事とプライベートを優先」する新入社員が3割弱。「プライベート優先」も約1割

新入社員の「仕事」、「プライベート(趣味や友人・恋人・家族と費やす時間)」、「自己投資(仕事のスキル向上のために費やす時間)」の時間のバランスは、ここ数年で大きく変化している。

2016年度までは「仕事とプライベートと自己投資をバランス良く」と回答する新入社員が30%を超え、1位を維持していた。しかし2017年度に初めて「仕事とプライベート優先」が1位となり、2019年度の調査では新入社員の27.3%が「仕事とプライベート優先」と回答。また、「プライベート優先」は2014年度にはわずか4.5%だったが、2018年度に10%を突破し、2019年度には11.9%まで上昇している。従来よりも、プライベートの時間を重視する新人・若手社員が増加していることが明らかになった。
プライベート優先の新人・若手社員が増加傾向、成長は二極化する? 企業にできる防止策は

将来のキャリアを定めていない新人・若手社員が一定数いる

将来会社で担いたい役割については、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」と答える新入社員が年々増えている。

調査開始時の2014年度は「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」と答えた新入社員は計36%だった。しかし2017年度以降は40%を超え、2019度には43.5%という結果に。「将来のキャリアを定めていない」新人・若手社員が増加傾向にあることが判明した。
プライベート優先の新人・若手社員が増加傾向、成長は二極化する? 企業にできる防止策は

プライベートの時間の使い方を考える機会を与えることが成長の鍵に

長時間労働是正の流れにより労働時間が短縮傾向にある中、企業の業績をさらに上げるためには、仕事の結果・成果につながる「量 × 質」の「質」にあたる「生産性向上」を図ることが重要だ。実際、生産性向上に向けたさまざまな取り組みが行われている。しかし、仕事の「質」を本質的に改善していくためには、ある程度の「量」の投下、すなわち試行錯誤の時間が必要になる。そこで鍵となるのが、「プライベートの時間」の使い方だ。

最近の新人・若手社員は「プライベート重視で自己投資への意識が低くなりつつある」「将来のことをあまり考えていない」という傾向が見られる。この状況が続くと、「放っておいても自ら学習する社員」と「放っておくと成長につながる時間の使い方をしない社員」の二極化が進み、社員間の「成長格差」が広がる可能性がある。一方で、就業時間外に得たスキル・経験を社員の成長につなげることを目的に、副業や兼業を解禁する流れも進んでいる。そうした状況を考えると、企業側が新人・若手社員にプライベート時間の使い方について「考える機会」を与えることこそが、成長を加速させるきっかけになるだろう。

この記事にリアクションをお願いします!