今や巷で聞かない日はない、働き方改革。労働基準監督署の立ち入り調査は中小企業にも及んでおり、内心ヒヤヒヤされている方も多いと思います。

悩みのタネは、何と言っても残業の削減ですよね。減らさなきゃいけないと分かってはいるけれど、どうやって減らせばいいのか……。そんなお悩みに対して少しでもお役に立てるよう、今回は勤務間インターバル制度と、活用できる助成金に関してお話ししたいと思います。

そもそも「勤務インターバル制度」ってなに?

「勤務間インターバル制度」とは、勤務終了後と次の勤務開始までの間に一定時間時以上の休息時間を確保しましょう、という制度です。

従業員さんの生活時間や睡眠時間を十分に確保し、リフレッシュした状態で翌日の業務にあたってもらうことを目的として、2019年4月1日、労働時間等設定改善法が改正されたことを受け、働き方会改革関連法に基づいて施行されました。

とは言っても、あくまでも努力義務なので、守らなかったといって罰則はないのですが、残業を減らすことは当然従業員さんの健康を守ることにつながりますので、上手く活用するようにしましょう。

さて、勤務間インターバル制度の進め方ですが、まず、終業時間と次の始業時間の間(休息時間数)を何時間確保するのかを決めます。この時、最低でも9時間は確保するようにしましょう。

休息時間数が決まったら、次に、就業規則にその旨を規定するようにしましょう。例えば、下記のようなイメージです。

(勤務間インターバル)
第〇条 いかなる場合も、労働者ごとに1日の勤務終了後、次の勤務の開始までに少なくとも〇時間の継続した休息時間を与える。

さらに、残業が深夜に及んで設定した休息時間が確保できない場合は、その分、次の始業時間を繰り下げることを規定することもできます。

でも、どうやって残業を減らせばいいの?

制度の主旨は分かったし、導入もしたいけど、現実的に残業が減らなければ絵に描いた餅になりますよね。では、具体的にどのように残業を減らせばいいのでしょう。

まず、朝礼や会議の時間を短縮してみましょう。朝礼については、メールで済ませられる連絡事項はメールでの周知を原則とし、時間を短縮するのです。口頭で伝えても聞いていない人もいる可能性がありますから、メールで各自読んでもらうことにします。

また、会議の資料も事前にメールの添付ファイルで送ることとし、各自でプリントアウトするようにすれば、準備の時間をかなり短縮できるでしょう。

さらに、大事なことは「会議は〇時まで」と終了時間を明示することです。こうすることで時間に対する意識が高まり、時間内に会議を終えることを意識し、効率的に会議を進めることができます。

合わせて、「文明の利器」を活用した方法もご紹介しましょう。これは特に現場職や営業職など外勤の方に効果バツグンなのですが、電車移動中などのスキマ時間を活用して作業報告書や日報を書いてもらうようにし、帰社後の負担を減らすのです。

また、勤怠管理システムの導入も効果的です。今はGPS機能がついた勤怠アプリなども出ており、直行や直帰の管理が格段にやりやすくなっていますので、不必要に会社に寄ることもありません。勤怠アプリと給与計算のシステムを連動させれば、給与計算の人件費もカットでき、一石二鳥でしょう。

しかしこういったシステムの導入にはコストが……と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。そこで、助成金の登場です。

「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」というものがあります。勤務間インターバル制度を導入すれば、それにかかった経費の一部が助成金の対象となるのです。

例えば、新規に導入する場合、
・休息時間数を9時間以上11時間未満に設定すると、1企業当たりの上限額は80万円(補助率3/4)
・休息時間数を11時間以上に設定すると、1企業当たりの上限額は100万円(同じく補助率3/4)
となっています。

これは、労務管理用機器の導入などにかかった経費に対して助成されます(スマホやタブレットは対象外です)。計画書は、2019年11月15日が締め切りですので、検討してみてはいかがでしょうか。

ただ、助成金申請は支給要件が若干複雑ですので、ご心配な場合は、お近くの社会保険労務士に相談するとよいでしょう。



社会保険労務士有資格者 山口善広