友人に自分の会社を勧めたい従業員、2割未満にとどまる ── リファラル採用の鍵は「従業員エンゲージメント」の向上

2017年12月、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社が、20代〜60代の働く人を対象とした「従業員エンゲージメントに関するアンケート」の調査結果を発表した。人材不足が深刻化する中で、従業員が会社や仕事に愛着を持ち、積極的に業務に取り組むようにするには、どんなことが必要になるのだろうか。調査結果を紐解きながら考察してみる。

現代社会における従業員エンゲージメントの意義

同アンケートの調査では、会社や仕事に誇りや愛着を持っていると回答した人が47.5%、持っていると思わない人は19.4%、どちらともいえない人が約30%という結果が出た。また、エンゲージメントの度合いを測る設問として「会社の成長のため、求められる以上の仕事をしたいと思いますか」と問うと、「非常にそう思う」「そう思う」の合計は46.0%で、「あまり思わない」と「まったく思わない」の合計13.7%を大きく上回った。一方で、「どちらともいえない」の回答も約4割に達しており、仕事を自発的に行う人が多数派であるとは言い切れない数字になっている。

近年は転職が珍しい話でなくなり、ライフワークバランスが重視されるようになるなど、働き方や仕事に対する考えが多様化している。かつてに比べ、会社への強い愛着や忠誠心を持つ人が少なくなっていることが、この結果に表れているといえるだろう。しかし、市場では人材不足が深刻化しており、企業が生産性を上げるためには、従業員エンゲージメントを向上させ、一人ひとりの力を最大化させることが必要になっている。

友人に自分の会社を勧めたい人は2割未満

採用現場でも、優秀な人材を確保するためには、従業員エンゲージメントが関わってくる時代になりそうだ。だが、それを語る前にここで一つのデータに触れておこう。

2017年11月にHP総研が実施した「キャリア採用とアルバイト採用に関する調査」の結果では、キャリア採用で利用している手段として、大企業では「従業員からの紹介」が46%、また、今後利用が高まる手段としても、「従業員からの紹介」が25%で、全体の3位につけている。同アンケートの結果分析では、今後、採用経路のひとつとして、「従業員からの紹介(リファラル採用)」に期待が寄せられているとしている。
参考:HR総研:「キャリア採用とアルバイト採用に関する調査」結果報告 vol.1

現在、大企業を中心に、紹介による採用は増えつつあり、企業が欲しい人材に出会える確率が高い傾向にあるようだ。「従業員からの紹介」は、母数を確保することが難しい採用状況において、確率の高い、効果的な手段といえるだろう。

ここでもう一度、前述したアデコの従業員エンゲージメントに関する調査に戻ろう。注目したいのは、まさに採用経路のひとつ「従業員からの紹介」に直結する、「友人にあなたの会社への就職・転職を薦めたいか」という設問への答えだ。

この問いに対し、「非常にそう思う」「そう思う」と回答した人は合わせて18.6%。実に全体の2割にも達していないのである。自社への愛着を持っている人は半数近くいることがわかったが、友人へ薦めるほど強い愛着までは持ってはいないのだ。

仕事に対する社会的意義の実感が「従業員エンゲージメント」に直結

アデコの調査結果では、自社へのエンゲージメントを喪失させる理由は、「給与やポジションがあがらない」が41.7%、「上司が適切に評価してくれない」が35.8%と、待遇や評価に対する不満が多数を占めている。

2017年10月に人材採用のエン・ジャパン株式会社が発表した、「月給」をテーマにしたアンケートの調査を見ても、ここ最近月給が上がった人が半数近くいるものの、「元々の月給に満足していない」「昇給額が少ない」などの理由で、モチベーションアップにつながっていないという結果が出ている。

逆に、会社への誇りや愛着心を持っている人の理由を見てみると、最も多い回答は「仕事に社会的な意義を感じている」(47.4%)という結果。これは、2位の「雇用が安定している」(29.1%)と、3位の「ワークライフのバランスと柔軟性がある」(26.1%)を大きく上回っている。

今後の採用活動においては、「リファラル採用」を活用するためにも、従業員が自分の仕事の社会的意義を感じ、「友人に自分の会社を進めたい」と思えるよう、企業理念や自社の特徴などを整理し、社内で情報共有しておくことが一つのポイントとなってきそうだ。

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HRプロ編集部

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