働き方改革でもらえるオススメの助成金 (2)その他の助成金

前回のコラムで「働き方改革」と「助成金」は密接な関係にあるということをお伝えした。政府は働き方改革を推進する企業に金銭面から手助けをするため、たくさんの助成金を用意している。その代表的なものは前回説明した「職場意識改善等助成金」であるが、今回はそれ以外の比較的取り組みやすい雇用関係の助成金と、東京都限定の助成金も紹介していこうと思う。
前回のコラム、「働き方改革でもらえるオススメの助成金(1)職場意識改善助成金」はこちら

働き方改革の第一歩!?取り組みやすい雇用関係の助成金!

【キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)】
「キャリアアップ助成金」の中でも「諸手当制度共通化コース」は今年新設されたコースで、政府が具体的な課題として挙げていた「非正規と正社員の格差」の改善、つまり手当の共通化をした企業に助成金を支給するというものである。

具体的には「賞与」や「家族手当」、「住宅手当」などの11種類の手当から1つを選択し、制度として導入、運用した企業に対し37万円(大企業は28.5万円)を支給する。 
非正規の従業員に対して正規の従業員と同様の手当制度を適用することで、従業員全体のモチベーションがあがることが期待される。対象の取り組みが11個もあるので、適用しやすいと感じる制度の導入から始めてみてはいかがだろうか。従業員の処遇改善を行うことで離職率の低下にもなり、オススメの助成金である。

【両立支援等助成金(出生時両立支援コース)】
いわゆるイクメン助成金であり、若い男性従業員が多い職場にはオススメである。「働き方改革」は「休み方改革」と言えることからも、今後ますます注目されていく助成金である。男性が育児休業を取得しやすい職場風土づくりのための取り組みとして実施し、子どもの出生後8週間以内に開始する連続5日以上(大企業は連続14日以上)の育児休業を取得することが支給要件である。

支給対象となるのは1年度につき1人までは57万円(大企業は28.5万円)が支給される。ただし2年目(育休2人目)以降は支給額が14.25万円(一律)に引き下げられる。また、過去3年以内に男性の育児休業取得者(連続5日以上、大企業は連続14日以上)がいる企業は対象外となる。同部署内などの周りの同僚が、育休取得者の代わりに仕事をカバーできる職場環境であるかどうかがポイントとなってくるが、働きやすい職場にするためにはオススメの制度である。

東京都内に本社、支店を持つ企業限定!「働き方改革助成金」!

【働き方改革宣言奨励金】
東京都が行う働き方改革推進事業の1つで、「TOKYO働き方改革宣言企業」(従業員の長時間労働の削減及び年次有給休暇等の取得促進のため、2〜3年後の目標及び取り組み内容を定め、TOKYO働き方改革宣言を行い、全社的に取り組む企業)を目指す企業を支援する奨励金である。

奨励事業としては長時間労働の削減、年次有給休暇等取得促進に向けた問題点や原因分析、目標の設定などの取り組み実施をする「働き方改革宣言事業」(必須)と、働き方の改善または休み方の改善に定める制度について労使協定を締結し、制度内容を就業規則等に明文化する「制度整備事業」の2種類があり、最大60万円が奨励金として支給される。

常時雇用する労働者を2人以上、かつ6ヶ月以上継続して雇用している東京都内の企業であれば申請はできるが、申請時に就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っていることや、申請前に東京都が実施する研修を受講していること、などの要件があるので注意が必要である。

申請には事前エントリーへの申し込みが必要で、平成29年度の事前エントリー受付日は以下の6回に分かれており、予定社数を上回った場合は抽選になる。
※平成29年度の事前エントリー申込受付は終了している。(平成29年11月現在)
引用元:TOKYOはたらくネット「働き方改革宣言奨励金 | 働き方改革推進事業」

【働き方改革助成金】
上記の「TOKYO働き方改革宣言企業」に対し、働き方・休み方の改善、新たに導入した制度の利用促進を図るための取り組みに対し助成金が支給される。実施する取り組みは、働き方改善事業(勤務間インターバル制度など)と、休み方改善事業(年次有給休暇の計画的付与など)などから、自社で目標及び内容を定め、計画期間中に要件を満たした制度の利用があった場合に助成金が支給される。5つの制度まで申請ができ、1つの制度当たり10万円が支給されるが、最大40万円までである。
申請期限は「TOKYO働き方改革宣言企業」承認決定通知書の通知日より3か月以内である。

上記の2つは政府や中央省庁だけでなく、地方自治体が主導で働き方改革を推進していく為の成功モデルに繋がっていく助成金であるため、東京都内の企業は是非ともこの機会に活用して頂きたい。

今後もこのように働き方改革を後押しする助成金はさらに増えていくことが予想される。この機会に一社でもこの記事を読んで、助成金を活用した働き方改革を推進していくことを心から望む。


熊谷経営労務パートナーズ
代表 熊谷 篤

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。

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