株式会社かんき出版は2022年9月15日、法人向け研修サービスを行う「かんき出版の社員研修」が実施した「大企業退職者の本音調査」の結果を発表した。調査期間は2022年8月24日~25日で、従業員数1,000名以上の大企業を退職した中核人材106名から回答を得た。なお「中核人材」とは、“過去にMVPや社内表彰経験のある人”と定義している。これにより、大企業を退職した要因や転職後の会社の規模感などが明らかとなった。
大企業の退職理由は「上司との関わりに不満」が最多。約7割が「上司をビジネスパーソンとして尊敬できなかった」と回答

エンゲージメントが下がった要因は「上司との関わりに不満」が最多

大企業を退職した中核人材は、どのような要因から退職に至ったのだろうか。まず、かんき出版が「退職した勤務先に対する、愛着・エンゲージメントが下がった要因」について質問すると、「上司との関わりに不満があった」が47.2%で最多だった。以下、「働き方に不満を感じた」が31.1%、「同僚・部下との関わりに不満があった」と「仕事における成長・やりがいを感じられなくなった」がともに27.4%で続いた。

自由回答からは、「経営方針がころころ変わる」(38歳)、「社員同士のコミュニケーションがない」(39歳)、「自身のキャリアアップが見込めなかった」(35歳)といった声があがった。
退職した会社に対し、愛着・エンゲージメントが下がった要因

約7割が“不満の要因”として「上司が尊敬できなかった」と回答

続いて、同社が「上司との関わりに不満があった」とした回答者に対し、「どのような部分が、会社への愛着・エンゲージメント低下につながったか」を尋ねた。その結果、「上司がビジネスパーソンとして尊敬できなかった」が68%、「上司からの理不尽な要求が多かった」が52%、「上司から威圧感を感じていた」が48%となった。
上司との関わりに不満があった要因

“退職の決め手”として3割以上が「上司との関わりに不満があった」と回答

次に、「退職の決め手となった要因」について同社が複数回答で尋ねると、「上司との関わりに不満があった」が35.8%で最多だった。以下、「DX、テクノロジー活用等の遅れを感じた」が28.3%、「働き方に不満を感じた」が27.4%、「給与が低い、昇給が見込めなかった」が24.5%で続いた。

自由回答では、「会社の発展に希望が持てなかった」(39歳)や「人事異動が多く、信頼できる人が周りにいなくなった」(35歳)、「ノルマが高すぎて、やる気をなくした」(36歳)といった意見があった。
退職の決め手となった要因

上司に対して「退職の理由を本音で伝えられていない」とした人が3割以上に

続いて、同社が「上司に対して、退職の理由を本音で伝えたか」を尋ねた。すると、「あまり本音では伝えなかった」が21.7%、「全く本音では伝えなかった」が13.2%で、「本気で伝えなかった」との回答は合わせて34.9%を占めた。
上司に対して退職の理由を本音で伝えたか

上司に本音で伝えられなかった理由は「なんとなく言いづらかったから」が最多

最後に、「退職の理由を上司に本音では伝えなかった」とした回答者に対し、「その理由」を同社が質問したところ、「なんとなく言いづらかったから」が43.2%で最多だった。以下、「円満退社したかったから」が40.5%、「話し合う事自体が面倒だった(伝わらないと思った)から」が32.4%となった。
転職後の会社の規模感
本調査から、大企業を退職した中核人材の多くは、「上司との関わり」についての不満を要因に退職していることがわかった。会社へのエンゲージメント向上には、上司と部下のコミュニケーション促進も有効な手段になるのではないだろうか。

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