パーソルキャリア株式会社は2021年11月29日、「リモートワーク・テレワーク企業への転職に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2021年10月28日~11月3日で、20~30代の転職サービス登録者361名から回答を得たという。これにより、テレワーク実施による転職意向への影響や、希望するテレワークの頻度などが明らかとなったようだ。
約6割が転職時の応募意向に「テレワーク実施の有無」が影響。「毎日テレワーク」を希望する人も増加

半数以上が「テレワーク実施が応募の意向に影響する」と回答

働き方改革や新型コロナウイルスの影響により、テレワークを実施する企業が増えているが、転職活動をする際の個人の意識に、テレワークはどのように影響するのだろうか。はじめに同社は、「転職を検討する際、テレワークの実施が応募の意向に影響するか」を尋ねた。すると、「とても影響する」が33%、「やや影響する」が22.7%となり、合計55.7%に。半数以上の転職希望者にとって、「リモートワーク実施の有無」が応募の意向に影響していることがわかる結果だ。
転職検討の際、リモートワーク・テレワークの実施は応募の意向に影響するか

「テレワーク可」の求人数と応募数は昨年1月比で約10倍に

続いて、同社の運営する転職サービス「doda」に掲載されている「テレワーク可」の求人の掲載数と応募数を、2020年1月と2021年10月の2期間で比較した。その結果、求人掲載数・応募数ともに約10倍に増加していることがわかったという。新型コロナの影響が出始めてから、求人数および応募数が増加傾向にあり、現在多くの企業でテレワーク環境を整えていることが推測できる。
2020年1月からの、テレワーク可の求人の掲載数と応募数の推移

「毎日テレワークで働きたい」人は3割以上に

次に同社は、「転職後にテレワークを行いたい頻度」についての回答を、2021年1月に実施した前回調査の結果と比較した。すると、前回調査で2番目に多かった「毎日」が、5.1ポイントも増えて34.2%と最も多かった。前回トップだった「週3日」は20.6%と、9.9ポイント減少して次点であった。3番目は「週2日」で18.8%と、前回比1.7ポイント減少していた。オフィスに出社しない、「フルリモートでの働き方」を希望する人が増加傾向にあることがうかがえる。
転職後にテレワークを行いたい頻度

フルリモート環境では「自宅と会社の距離」は懸念されず

続いて、「フルリモート勤務の転職先を探す場合、自宅と会社の距離は気になるか」との質問に対する回答は、「全く気にならない」が23.5%、「あまり気にならない」が30.2%で、合計53.7%に。半数以上が、フルリモート環境下では「自宅が会社から離れていても問題ない」と考えていることが判明した。
フルリモート勤務の転職先では、自宅と会社の距離が気になるか

フルリモート勤務における最大の懸念材料は「コミュニケーション」か

最後に、「フルリモート勤務の仕事へ転職する際に、特に気になること」を尋ねた結果では、「部署やチーム内でのコミュニケーションの取り方」(35.2%)との回答が突出。以下、「特にない」が16.1%、「年間出社日」が12.5%などと続いた。フルリモートで仕事をする上では、「同僚とのコミュニケーション面」に懸念を抱いている人が多いようだ。
フルリモートでの仕事で気になること
テレワークを実施する企業の増加とともに、その働き方が転職者の応募意向にも影響するなど、「テレワーク」に対する個人の意識も変化していることが明らかとなった。テレワーク実施の有無が、企業の評価を左右するひとつの視点となるかもしれない。

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