株式会社ライボは2021年7月12日、同社が運営する調査機関「Job総研」を通して行った「働く女性とコロナ禍の関連調査」の結果を発表した。調査期間は2021年6月25日~7月7日で、20~1,000人以上規模の会社で勤務する女性(勤続年数:1年以内~10年以上)、260人を対象に実施。これにより、新型コロナウイルスが女性の雇用やメンタルヘルスへどのように影響しているかが明らかとなった。
コロナ禍により「女性の雇用」はどう変化したのか。7割が「メンタルヘルス」に影響ありと回答

25%がコロナ禍により雇用形態が変化、特に「勤続3年以内」の人が多い傾向に

新型コロナウイルスが感染拡大し始めてから約1年半が経過し、雇用環境やライフスタイルが変わってきている。現在、働く女性に対してどのような影響があるのだろうか。

はじめに「コロナ禍の影響による雇用形態の変化」について尋ねた。すると、「なし」が75%だったのに対し、「ある」が25%という結果に。4人に1人の割合で、雇用形態に変化があったことがわかった。
コロナ禍による雇用形態の変化
先述の設問で「ある」と回答した人の内訳を「雇用形態」、「雇用形態が変わる前の勤続年数」、「勤務先の業界」別にまとめている。「勤続年数」は「3年以内(『1年以内』と『3年以内』の合計)」と答えた人が67.1%と、7割近くに迫った。また、「勤務先の業界」で上位だったのは、「サービス業」(13.8%)、「教育業界」(9.2%)、「通信インターネット業界」(9.2%)となっていた。
雇用形態に変化があった人の内訳

半数以上が「雇用が変化したこと」をポジティブに受け止めている

次に、コロナ禍の影響による雇用変化が「ある」と回答した人に、「雇用変化をどのように受け止めているか」を尋ねた。すると、「現状をポジティブに受け止めている」人は53.8%となり、「ネガティブ」の46.2%を上回った。
雇用変化をどう受け止めているか
「雇用変化をポジティブに受け止めている」とした人の理由は、「リモートワークの増加により自由に使える時間が増えた」(54.2%)、「ワークライフバランスが取りやすくなった」(40%)などが上位に。また、「雇用変化の具体的な内容」については、「リモートワークが増え出社頻度が下がった」(42.9%)のほか、「キャリアを見直し自発的に転職した」(22.9%)などが多く、リモートワークに移行したことや転職の機会となったことを、ポジティブに捉えていることがわかった。
雇用変化をポジティブに捉えている人の背景と理由

コロナ禍の不況による解雇等で、メンタルヘルスへの影響も

一方で、「雇用変化をネガティブに捉えている」とした回答者に「具体的な影響」について尋ねた。すると、「解雇・雇い止め」が30%、「自発的に退職せざるを得なかった」が16.7%となっており、合わせると離職に至ったケースは46.7%で、半数に迫っていた。以降、「収入が減った」(30%)、「ボーナスカット」(26.7%)、「休業7日以上」(20%)などが続き、コロナ禍以前の収入や雇用形態が維持できないことが、ネガティブな理由につながっているとわかった。
雇用変化をネガティブに捉えている人の背景
また、「雇用変化によるメンタルヘルスへの影響はあったか」と尋ねると、「ある」が70%という結果に。「具体的な影響」には、「精神的に追い詰められた」(71.4%)、「うつ病等の精神疾患と診断された」(23.8%)などが挙げられ、メンタルヘルスに悪影響を与える深刻なケースもあった。
雇用変化によるメンタルヘルスへの影響
今回の調査で、働く女性への影響は「ポジティブ/ネガティブ」のどちらの側面もあったことが判明した。先行き不透明な状況が「メンタルヘルスに悪影響」を及ぼすケースは深刻だろう。安心して働ける環境の整備が、今後より重要になりそうだ。

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