東京都は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受け離職を余儀なくされた35歳以下の労働者を対象とする「デジタル人材育成支援事業」を、アデコ株式会社に委託した。同事業は、実践的なITスキルを身に付けるための職業訓練の機会を提供するとともに、再就職支援を行うというものだ。これにより、DXの進展などで不足するデジタル人材の育成および就労を促進していくという。
東京都が「デジタル人材育成支援事業」をアデコに委託。求職者のスキル育成・就労支援でデジタル人材不足解消へ

新型コロナにより増加する求職者に、ITスキル教育を実施

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、テレワークやデジタルツールの普及が急速に進んでいる。さらに、「ニューノーマルな日常」への継続的な対応として、社会のデジタル化を支える「デジタル人材」に対するニーズは、これまで以上に高まっている。これに対し、多くのIT関連企業では経営基盤が脆弱な場合も多く、不足するデジタル人材を企業が採用・育成していくのが難しいという現状がある。

一方、新型コロナの拡大を受け、雇用環境の悪化により離職を余儀なくされ、就労支援が必要な求職者が、若者をはじめとして数多く存在している。そこで、東京都は「デジタル人材育成支援事業」を開始。就労支援が必要な求職者に「実践的なITスキル習得のための職業訓練」と「IT関連企業への再就職支援」を同時展開し、デジタル人材の育成と就労をワンストップで実施することを決定した。

都は同事業を、人材事業に多くの知見を有するアデコに委託。同社は、自分たちが保有する人材育成に関する研修施設やプログラムを活用し、即戦力となるデジタル人材の育成にあたるという。あわせて、求職者にキャリアカウンセリング等の再就職支援を実施し、目の前の就労だけでなく、将来のキャリア開発を見据えたサポートを行う計画だ。さらに、受け入れ先企業に対するヒアリングを実施し、ニーズを踏まえて人材のマッチングを行うことで、定着と事業成長の実現を目指していくという。

急速に進む社会のデジタル化に対し、産業を下支えする人材の不足は今後も更に進むだろう。自社におけるデジタル化と人材をどのように確保していくか、改めて考えてみてはいかがだろうか。

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