応募率を上げるためのテクニック

求人はある意味「広告」である。求人を見て、求職者はその仕事に応募するかどうかを判断する。多くの会社が福利厚生といった「利点」を一生懸命伝えようとするが、単なる条件で勝負していても中小企業は大企業に勝てない。「この会社で働いたら、あなたはこう変わる」という具体的かつプラスのメッセージを発信することが必要である。応募率を改善する具体的なテクニックとして下記の5つをご紹介したい。

(1)採用ペルソナの設定
「誰でもいいから応募してください」では、誰もこない。企業が求職者に求める経験軸や、ライフスタイル軸など、まずは希望の人物タイプを明確にすることが大切である。

(2)求める基準を上げすぎない
希望する条件をすべて挙げてしまうと、それに見合う給料でなければ応募を集めることが難しくなる。ある意味、身の丈に合った採用ペルソナにしておかなければ誰からも応募がこないという状況になってしまう。

(3)専門用語を多用しない
未経験者募集のはずが求人内容に専門用語がたくさん並んでいる状態では、「難易度が高い」と感じるため、求人内容を理解する気が起きず応募にいたらない、という場合がある。自分たちが日常で使っている言葉が業界特有の言葉なのかどうか、今一度確認してみてほしい。他業界の人に読んでもらい、理解できるかどうかを確認してもらうことも有効である。

(4)給与条件を正しく書く
最もダメな事例は、給与条件の記入欄に「委細面談にて」といったように濁して書くことである。給与条件も、例えば「20万円〜40万円(経験により決定)」と書くのではなく、未経験者・経験者に分けて記載し、「経験を積み役職が上がると月給40万円に給与も上がる」という形で、具体的に相手にイメージをしてもらえる表記にするとよい。

(5)通勤方法をしっかり書く
求職者は意外と通勤時間やアクセスの良し悪しを気にしている。最寄り駅やバス停などの情報も入れ、自動車通勤やバイク、自転車通勤が可能かどうかも必ず書くようにする。なお、具体的にどのエリアの人が通勤しているかという情報も、求職者にとっては知りたい情報である。

以上、採用ホームページの構成と応募率を上げるためのテクニックについてお伝えしてきたが、自分が言いたいことではなく、「相手が知りたいこと」を書く意識が大切である。

上記のポイントを踏まえ、求職者に寄り添う求人活動をすることで、あなたの会社の良さが相手に伝わり、応募率が増えることだろう。



田中亜矢子 社会保険労務士
人を育てる人、を育てる。採用定着コンサルティングOFFICE「サン&ムーン」 代表
http://www.sun1moon.com
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