先日の日経新聞(4月19日)に、2015年に入社する新卒者について、大手企業の採用活動は早くも終盤戦の模様を呈している、というニュースが掲載されていた。これは、景気回復による人手不足感を背景に、優秀な人材を囲い込もうとする動きが大手企業で目立つということである。
平成25年度に労働力人口が前年比22万人増えたとはいえ、今後は少子化の影響もあって、労働力人口は長期的には減少傾向にあるといえる。そのような労働市場の中で、企業の継続性の観点からも、できるだけ優秀な人材を採用したい、というのは大企業のみならず中小企業も同様であろう。
では、ここでいう「優秀な人材」というのはどのような人物のことを指しているのだろうか。この問いに応えられる経営者や採用担当者はどのくらいいるだろうか。
経営者や採用担当者に、「どのような人材を採用したいですか」と聞くと、大抵「そりゃあ、優秀な人材が欲しいよ」と返ってくる。そこで、「では、御社にとって優秀な人材というのは、どのような能力や知識、経験をもった人ですか」と突っ込んで聞くと答えられないことがほとんどである。
このように採用したい人物像が不明確なままで採用活動を行うと、「社風に合わない」「周りとのコミュニケーションがとれない」「当初考えていたほど仕事ができない」等の理由によって、結果的に残念な採用をしてしまったということになりかねない。
そして、さらに厄介なのは、採用した労働者本人だけでなくその周りにも悪影響を与え、様々な労務トラブルに発展する可能性もあるのだ。まさしく、すべての労務トラブルは採用から始まるといっても過言ではない。
将来の労務トラブルを防ぐためにも、間違った採用をしてはいけない。間違った採用をしないためには、面接前の準備が非常に重要であるが、その大前提として採用したい人物像を明確にすることが第一である。「自社にとって優秀な(必要な)人の要件(人材要件)」を明確にすることによって人物像が浮かび上がってくるであろう。たとえ他社にとって優秀であっても自社に合う人かは分からないのである。
人材要件については、できるだけたくさんの具体的な言葉で表すことが重要である。例えば、「コミュニケーション能力が高い人」ではまだ抽象的である。コミュニケーション能力とは対面でのコミュニケーションなのか、電話なのか、新規顧客獲得のために必要なものか、既存顧客のフォローのためか、等より掘り下げるほうがよい。
もし、人材要件を立てることが難しいと思われる場合は、自社内でモデルになるような従業員の方の特徴や行動を参考にしてみたらよいだろう。
※参考:『この1冊でもう間違えない!人材採用』(石塚毅著)
三谷社会保険労務士事務所 三谷 文夫
では、ここでいう「優秀な人材」というのはどのような人物のことを指しているのだろうか。この問いに応えられる経営者や採用担当者はどのくらいいるだろうか。
経営者や採用担当者に、「どのような人材を採用したいですか」と聞くと、大抵「そりゃあ、優秀な人材が欲しいよ」と返ってくる。そこで、「では、御社にとって優秀な人材というのは、どのような能力や知識、経験をもった人ですか」と突っ込んで聞くと答えられないことがほとんどである。
このように採用したい人物像が不明確なままで採用活動を行うと、「社風に合わない」「周りとのコミュニケーションがとれない」「当初考えていたほど仕事ができない」等の理由によって、結果的に残念な採用をしてしまったということになりかねない。
そして、さらに厄介なのは、採用した労働者本人だけでなくその周りにも悪影響を与え、様々な労務トラブルに発展する可能性もあるのだ。まさしく、すべての労務トラブルは採用から始まるといっても過言ではない。
将来の労務トラブルを防ぐためにも、間違った採用をしてはいけない。間違った採用をしないためには、面接前の準備が非常に重要であるが、その大前提として採用したい人物像を明確にすることが第一である。「自社にとって優秀な(必要な)人の要件(人材要件)」を明確にすることによって人物像が浮かび上がってくるであろう。たとえ他社にとって優秀であっても自社に合う人かは分からないのである。
人材要件については、できるだけたくさんの具体的な言葉で表すことが重要である。例えば、「コミュニケーション能力が高い人」ではまだ抽象的である。コミュニケーション能力とは対面でのコミュニケーションなのか、電話なのか、新規顧客獲得のために必要なものか、既存顧客のフォローのためか、等より掘り下げるほうがよい。
もし、人材要件を立てることが難しいと思われる場合は、自社内でモデルになるような従業員の方の特徴や行動を参考にしてみたらよいだろう。
※参考:『この1冊でもう間違えない!人材採用』(石塚毅著)
三谷社会保険労務士事務所 三谷 文夫