大規模な企業ほど経営とIT投資に分離

次に、全社員が活用する規模のITシステムを、生産性向上のために導入している(したことがある)大企業の役員に対し、そのシステムの採用検討から導入までの時間を尋ねると、全体の2割強(22.2%)が「わからない」と回答。中でも従業員規模が10,000人を超える大企業の役員では3割以上(36.4%)となった。

加えて、「ITシステムの導入まで想定より時間がかかったと感じた経験があるか」という質問では、「わからない」と答えた大企業役員は全体の3割強(35.2%)だったのに対し、10,000人超の大企業では54.5%と半数以上を記録する結果となった。企業規模が大きくなるほど、役員は決裁後の実態について把握できていないことがうかがえる。つまり、経営とIT投資には分離が起きていると考えられるのだ。
大企業における「働き方改革」の実態とは──ITシステムの導入にあたり役員と現場社員に認識の相違が
多くの企業で取り組みが始まった「働き方改革」。関連する法律施行から半年が経過したが、現時点では、働く側が改善を実感するには至っていないのが実情のようだ。生産性向上を目指すには、もっとも業務を理解している「現場の、現場による、現場のための」ITシステムが開発・導入されることが肝要だ。

企業人事においても、実効性をともなう改革推進支援はできる。本当に現場で求められるシステムを構築できるIT人材の採用、その有益なシステムを活用し得る現場社員の育成など、本来のニーズを見極めて、分断された需要と供給のみぞを埋める働きが重要となるだろう。
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