今こそ投資すべき研修の内製化の真実に迫る第3回 社内ノウハウを研修プログラムへ変換する2つの極意 | 採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • HRサミット2017 アフターレポート&講演レジュメ公開中!
今こそ投資すべき研修の内製化の真実に迫る

第3回 社内ノウハウを研修プログラムへ変換する2つの極意

講師ビジョン株式会社 代表取締役 島村 公俊
2016/04/08

研修の内製化を始めるときに、最初につまずくのが研修プログラムの開発です。社内に眠る貴重なノウハウを見える化し、相互に学び合うことはとても大切だとわかっていても、いざ研修プログラムを一から開発するとなると面倒に感じてしまい、外部の先生にお願いした方がいいのでは・・・と考える担当者の方も多いのではないでしょうか。

研修デザインの基本を学ぶことは確かに大切ですが、今回は、社内研修をもっと気軽に開発する新しい視点をお伝えしていきます。

競争優位を創るための社内プログラム

  研修の内製化を進める上で困るのが、研修コンテンツの開発ではないでしょうか。外部研修を社内でライセンスフィーを払いながら実施することも可能ですが、社内で実施する以上、自社らしいコンテンツを実施したいところです。

 しかし、実際に研修コンテンツを一から開発するとなると、なかなか大変なのも事実です。実際に作ったことがない、開発するための基本的な考え方を知らないなど、いろいろ理由がでてきます。ですが、自前で研修をどんどん開発できるようになると、社内の英知をより広く還流させることができ、担当者の皆様がイニシアチブをとりながら、社内に学ぶ場をどんどん増やすことができるようになる、という効果が生まれます。

 現代の世の中では、著名なコンテンツやさまざまなオープンソースのコンテンツは、WEBを通じて大概学べる環境が揃っています。同じような内容やテーマの研修を、高いお金を払って用意することは果たして適切なのでしょうか?

 今、揃えるべきコンテンツは、社内ノウハウそのものなのです。そのノウハウは価値があるにも関わらず、世の中どころか社内にも広まっていないのです。だからこそ、学ぶべき価値があるのです。みなさんのいる部門は他部門のノウハウをどれだけ知っていますか?そして、みなさんは、他部門の社員個人がもっている経験やノウハウをどれだけ知っているでしょうか。

 一度、冷静に社内をよく観察してみると、さまざまなノウハウがあることに気がつきます。社内にある新規事業の立ち上げプロジェクトの秘話、クレーム対応の対応方法など、各部門にあるノウハウ、社員が持っているノウハウをコンテンツ化するのです。外に目を向けつつ、目の前にある社内から学ぶことが競争力をつける源泉になるのです。

社内研修をより活性化させ学習効果を上げるには

  まずは、社内で実施されている研修をくまなく洗い出してみることが必要です。人事部門主催の研修だけでなく、各部門単位で行われている研修、勉強会も含めてリサーチします。研修や勉強会は社内だけではありません。当たり前ですが、社外でも実施する場合があります。例えば、営業担当がお客様先で研修会、勉強会を行っています。このように、まずはすでに行われている研修を、より学びやすい設計に変えていくことから始めてはいかがでしょうか。講義形式が多い研修から、参画型の研修へカスタマイズするだけでより学びが深まる研修になります。 一度外部で研修プログラムの開発の基本を簡単に学べば、少しずつ自身で改善のポイントがわかるようになってきます。

初めて研修を社内で作る時の逆転の発想法

  社内で研修を開発しようと思ってもなかなか手につかない理由の代表的なところとして、担当者が異動してしまい、社内に研修開発のノウハウが残らない、研修デザインが学術的過ぎていまいちピンとこない、などの理由が挙げられます。

 社内の担当者は外部のプロとは異なりますので、当初はなかなかリッチなコンテンツを作れないのは仕方ありません。当面は、リッチなコンテンツは今まで通り外部にお願いしてよいと思います。一方、同時に社内研修も進めていくことができる方法があります。社内でやるときの方法は、もっとカジュアルなプログラムにしてしまうという方法です。もっとラフな学習の場でいいのです。事を確実に前に進めることが何より大切だからです。

 一つ目の極意は、論点とディスカッションを組み合わせた研修プログラムにするという方法です。細かな設定やケーススタディなどを「一から開発する」という発想から一度離れましょう。

 例えば若手社員の報連相に課題があり、先輩社員や上司が困っている現状が全社的にあったとします。ディスカッションの論点は、社内で困っている課題そのものになりますので、例えば、「報連相を怠ることによる上司への具体的な影響とは何か」「上司に報連相談をしないことによるあなたが失うものは何か」とか、「報連相する恐怖が湧いてしまうのはなぜなのか?それを乗り越えるためには具体的な解決策は何か?」などです。

 このように論点を決めるのはそんなに難しいことではありません。論点とは、育成する立場にある人ならだれでも考えなければならないことそのものだからです。なるべく具体的に設定してください。そして、その論点についてディスカッションさせ、会社としての考え方に着地させればいいのです。

 極端ではありますが、このような論点の設定→ディスカッション→解説でまずはいいのです。会社で話し合いたいものがあればそれを論点にして、どんどんディスカッションさせながら学ぶ場を増やしていきましょう。まずはこのレベルから確実にスタートさせることが大切です。

いままでの「研修時間」という概念を一度捨てる

  もう一つの極意は、社内で実施するためには、研修サイズを極限まで小さくすることです。1日研修を作ろうとするから難しいのです。社内だからこそ、1時間の研修だってできるわけです。私がソフトバンク在籍時は、1時間の英会話レッスンのコンテンツを社内で作りましたし、2時間程度のエクセルやパワーポイントの研修も多数開発しました。1時間〜2時間の研修であれば、だいぶ作りやすくなるのではないでしょうか。それでも研修開発のデザインが気になる場合は簡単な研修デザインの基礎研修を受講し、自分なりに工夫してアレンジしていけばよいと思います。


 以上、いろいろ見てまいりましたが、社内で研修を開発するための秘訣は、このほかにもいくつもあります。ぜひ、社内で培ってきたノウハウを再生させ、学び、育て合う場をともに増やしていきませんか?
社内ノウハウをコンテンツ化したり、より深い学びにしていきたいなど、何か弊社で支援できることがありましたらぜひ遠慮なくご相談くださいませ。以上が、社内ノウハウを研修プログラムに変換する極意となります。
本コラムに関する質問・お問い合わせ、研修内製化や教育支援に関するご相談については
下記よりお問い合わせください。

  • 1

プロフィール

講師ビジョン株式会社 代表取締役 島村 公俊

人事コンサルティング会社を経て、ソフトバンク株式会社入社。東京国際フォーラムにて社長孫正義による講演会の前座を務め、全国の約2千人の営業パーソン向けセミナーを実施し、ボーダフォン買収時の現場教育に貢献。また、店長向けマネジメント研修の導入により全国スタッフ退職率の軽減に貢献し、ソフトバンクアワード受賞。

2009年人材開発部へ異動し、ソフトバンクユニバーシティの設立に貢献。100名を超える社内講師を育成した。2014年日本HRチャレンジ大賞人材育成部門優秀賞を受賞。2015年退職し、2016年に講師ビジョン株式会社を設立。育成環境の強化を目的にした研修の内製化の支援ならびに育成担当者であるOJTリーダー育成研修を中心にサービスを提供している。
講師ビジョン株式会社

2019卒版 インターンシップ プログラム作成完全マニュアル申込受付中

関連リンク

  • 海外進出企業の「人と組織の活性化」〜インドネシアに架ける熱き想い〜

    ASEANの盟主インドネシアという国

    本コラムは、筆者が2014年から2年間インドネシアを生活拠点とし、2016年からは日本と同国を毎月行き来している経験から、現地に展開する日系企業の「人と組織の活性化」を考察する。文化や生活環境が異なるインドネシアで日本人がいかに強い組織を作っていくのかを、著者の実体験や現地で活躍されている専門家や経営者のインタビュー、アンケート分析などを通じて紐解いていく。第1回はインドネシアという国の概要をお伝えする。

  • 大学の就職支援室からみた新卒採用

    第64回 留学生の就職支援

    金沢大学でも文部科学省の採択を受けて、留学生の就職支援に本格的に取り組むことになり、現在試行錯誤中です。これまでももちろん、現場レベルの取り組みはあり、各企業様から採用していただいた実績もあるのですが、今後より大規模に、多くの人数の実績を上げるために、何に取り組めばよいか?さまざまな情報を集めています。これまでの本学の採用実績や、企業のヒアリングを行っていく中で、一般的に留学生を募集する会社は、おおよそ4つの類型に分類されるかなあ、というところまで見えてきたので、以下にご紹介します。

  • たくましい新人育成を目指せ

    第73回 会社の仲間と仲良くやっていくためには、多少いやな付き合いも我慢して付き合う必要がある

    お客様から聞く新入社員の言動で、問題のある傾向の一つとして、次のようなものがあります。 ・歓迎会に、プライベートを理由に参加しない新人がいる ・研修所内では、すれ違い時に挨拶をするが、朝、同じバスに乗ってきても完全に無視する ・他の社員と昼食に行くとか、飲み会にいくとかしない

  • 特別読み切り

    評価をパワーに変える

    働き方改革が進む中、人事評価制度に注目が集まっている。厚労省の“人事評価改善等助成金”も、このような動きを後押ししていると言える。 とはいえ、社長の評価がそのまま会社からの評価という会社や、明快な人事評価制度がなくとも、気持ちよくかつワークしているという会社など、様々であろう。筆者は、人事評価制度は、人を育て、会社の利益が上がる仕組みと捉えている。しかし果たして、この人事評価、実態はどうなのか。

  • 歴史を動かす行動理論

    第28回 大山巌(おおやま いわお)

    西洋文化への憧憬と造詣が深かった。西洋かぶれと呼ばれた彼は「日本人最初のルイ・ヴィトンの顧客」であった。ヴィトンの顧客名簿に自筆のサインが残っているそうである。 同郷の東郷平八郎と並んで「陸の大山、海の東郷」といわれ、マッカーサーに英雄と心酔させた大山巌である。

  • 大学の就職支援室からみた新卒採用

    第63回 リモートワーク

    先日のNHKニュースで福井県の鯖江市のリモートワークの取り組みが紹介されていました。都心に本社がある企業が鯖江市に事務所を借りて事務職を採用し、本社とネットでつないで仕事をするといったスキームです。鯖江市は今こうした取り組みに力を入れ、市内の空き家をリフォームしてワーキングスペースに改装するための支援もしているとのこと。番組では、現在リノベーション中の、託児施設が併設された20名ほどが働けるオフィスづくりの様子を追っていました。