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今こそ投資すべき研修の内製化の真実に迫る

第2回 社内講師を段階的に育成する極意とは

講師ビジョン株式会社 代表取締役 島村 公俊
2016/03/25

企業の人事部門で重要テーマになっている「研修の内製化」。ソフトバンクユニバーシティで研修の内製化を推進し、100名を超える講師を育成した私自身の経験から、どのような考え方に基づき講師育成を体系的に実践してきていくべきなのか。社内講師のトレーニング方法と、講師スキルの体系化の方法についてお伝えしていきます。

社内講師は最初の5分で全てを見抜かれる

私は、前職のソフトバンク在職中に、ソフトバンクユニバーシティで研修の内製化を推進してきました。私自身が認定講師として活動しながら、また、100名を超える講師の講師としてTTT(Train the Trainer)というプログラムを開発し、実施してきました。

 多くの講師は、多くの業務経験やノウハウを持っていますが、それを「どうわかりやすく教えるのか」という、『教える技術』を持ち合わせた人はなかなかいないのが現状です。大切な経験やノウハウが参加者に届かないのでは意味がありません。新しく社内で講師をやる人は必ず、インストラクションの基礎を学び、確実に自身の知識がしっかり参加者の学びに繋がるような具体的なスキルを学ばないといけません。

私が約2万人以上の社員への講師経験を通じてわかったことは、
社内講師は、実際に研修の場で社員の前に立った時、最初の5分で全てを見抜かれるということです。

講師に対して「この人緊張しているな?」とか「声が震えているな」、「本当に大丈夫なの?」というような不安を、参加者として感じたことはありませんか?講師は、参加者が学習を始める前にこのような不安を絶対に感じさせてはいけません。学習に対する阻害要因になってしまうからです。

さきほどご紹介したTTT(Train the Trainer)プログラムでは、立ち姿勢、発声、ジェスチュア、アイコンタクトなど基礎を徹底的にトレーニングします。

 受講者の前に立った瞬間に、堂々とその研修を楽しみながらスタートできるくらいの余裕が出るくらい、繰り返し練習を重ねます。登壇日初日の冒頭から、自信をもって業務での経験やノウハウを伝えてほしいからです。

 研修の導入部分5分が安定すると、参加者も必要以上に講師を気にすることなく、学習する内容に自然と意識が向かっていくのです。教える技術の高度な部分というよりは、本当に基礎部分を徹底的に学ぶことが、社内講師として活躍する最初のステップとしては最も大切なことになります。

講師に必要なスキルを見える化する

内製化の立ち上げ当初は、インストラクションスキルの基礎的なもので十分ですが、参加者の学びをだんだんと、より深いものにするための発展的な技術を講師陣に伝えていく必要があります。社内講師陣も応用的なスキルを身につけることで、「受講者を巻き込めようになった」「ディスカッションがより活性化した」といった非常に前向きな感想を伝えてくれます。
また、何より受講者からのアンケート結果やコメントからも、学習の効果が目に見えてわかる内容が多くなってきます。

社内講師のモチベーションを維持するためには、登壇するたびに自分自身で「だんだん上達しているな」「社員の反応がよくなってるな」、「多くの感謝の言葉をいただけてうれしい」と感じられることが大切です。そうなるには、講師としてのスキルを向上するための全体像を主管部門が明確に示し、体系的な講師トレーニングをすることが大切です。

 具体的には、自社オリジナルのインストラクションスキルをスキルマップとして、体系化して社内講師陣に示すことです。ソフトバンク時代に体系化したものとしては、
・話し手の意図を伝えきるための「伝達力」
・受講者を飽きさせないようにするための「演出力」
・さまざまな受講者にどのように臨機応変に対応していくかという「対応力」

の三つのカテゴリに分け、さらにレベルを「二つ目」「真打」「匠」の三段階に分けて、スキルをマッピングしました。

作成する際には、世の中で活躍されている講師や社内で評判が良い講師、今まで受けた研修講師へのヒアリングなどを通じて、社内講師に必要なスキルを洗い出します。そして、それを少しずつカテゴリ化し、自社オリジナル版の講師スキルマップを構築していくのです。

 次にやることは、体系化したスキルマップのスキルごとに研修モジュールを用意することです。自身のスキルレベルが明確になっても、課題を克服するためのトレーニングがなければ意味がないわけです。

そのためにも、人事の講師陣は、自らそれらを体現できるように日々研鑽を積んでおく必要があります。これは、人材開発側の講師と部門や現場の講師との役割の違いでもあります。

 人事側の講師は、現場の社員に比べると、業務経験やノウハウは多少、劣るかもしれません。ただ、インストラクションスキルや研修デザインの考え方は、常に一歩先を行っていないといけません。

 人事の講師陣は、スキルマップにある要素を自ら体現し、それを教えられるレベルで社内講師をリードしていく存在にならないといけません。単なる研修の事務局担当としての機能だけでなく、企画も講師も両方できるようになることが大切です。講師もできるようになることでより確度の高い企画も立てられるようになります。また、講師の経験は、自身のキャリアアップにつながりますし、会社にとっても育成意識の高い教える人が増えることは評価に値するはずです。

1人でも多くの社員が教える技術を持ち、自身の知識やノウハウを教えあう組織を創るための第一歩を踏み出してみませんか?社内講師の教える技術を高めたいというご要望があれば、ぜひ講師ビジョン株式会社までお問い合わせください。
本コラムに関する質問・お問い合わせ、研修内製化や教育支援に関するご相談については
下記よりお問い合わせください。

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プロフィール

講師ビジョン株式会社 代表取締役 島村 公俊

人事コンサルティング会社を経て、ソフトバンク株式会社入社。東京国際フォーラムにて社長孫正義による講演会の前座を務め、全国の約2千人の営業パーソン向けセミナーを実施し、ボーダフォン買収時の現場教育に貢献。また、店長向けマネジメント研修の導入により全国スタッフ退職率の軽減に貢献し、ソフトバンクアワード受賞。

2009年人材開発部へ異動し、ソフトバンクユニバーシティの設立に貢献。100名を超える社内講師を育成した。2014年日本HRチャレンジ大賞人材育成部門優秀賞を受賞。2015年退職し、2016年に講師ビジョン株式会社を設立。育成環境の強化を目的にした研修の内製化の支援ならびに育成担当者であるOJTリーダー育成研修を中心にサービスを提供している。
講師ビジョン株式会社

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