グローバル人材を採用しなければ世界で通用しない

日本の企業でもグローバル採用を行うところが出てきましたし、今後、グローバル採用が当たり前になっていくでしょう。グローバル採用では年齢、人種、国籍、家族構成等々、能力に関係ないことは採用で問うてはならないのが原則です。米国を例にとると、採用試験で年齢を問うて、不採用にしたらペナルティが課せられます。年齢を聞いたという事実と、不採用になったという事実があれば、2つに関連があるかどうかに関係なく、一般的にはワンミリオンダラー、つまり邦貨にして1億円のペナルティになります。弁護士が3000万円、本人が7000万円というのが内訳ですが。私が心配しているのは、グローバル採用を始めた日本の名だたる企業が、ワンミリオンダラーを次々取られるということになるのではいかということです。
 採用する側にとって、グローバル採用は重要です。採用候補は日本国内にいる人だけでなく、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、タイ、インド、中国、韓国などの方々です。ハングリー精神に燃え、一生懸命勉強し、英語もそこそこ運用できる人たちを採用しない限り、グローバル時代での競争力も失われることになるからです。こういう人材は、給料だけでは満足しません。グローバル人材は、今働いている会社は次の会社へのステップだと考えているからです。そういう人間が会社にたくさんいないと、会社の競争力は保てません。
 グローバルな人材にとっても、今働いている会社でのポジションの仕事を立派に成し遂げていくことは重要です。なぜなら、今働いている会社でのポジションの仕事を立派に成し遂げていくというなかでしか、次のステップへつなげることができないからです。それが出来なければ、自分のできるものリストに新しいものを加えられない、職務経歴書にこういう会社でこういう業務を見事に果たしたということが書けないんです。逆に、働いている会社でのポジションの仕事を立派に成し遂げていくという、そういう人材がいないと、会社も競争力を失うことになります。つまり、今の会社を次の会社へのステップだと思いつつも、今の会社での仕事をこなすなかで自分のできることのリストを増やしたい、職務経歴書を増やしたい、磨いていきたい、という人がグローバル人材であり、そういう人が働く会社がグローバルな競争力をもった会社なのです。だから、そういう人をしっかり受け止めて、そういう人のキャリアパスを満足させていくことが、会社の競争力につながるグローバル人事なのです。

グローバルな人事評価とは?

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