挑戦し続ける中からしかイノベーションは生まれない

会社は、イノベーターが立ち上げます。彼らの価値観は「挑戦、創造、ユニーク」で、既成概念を打破していきます。その後、会社はオペレーションで拡大し、やがてオペレーターが運営するようになります。オペレーターはMBAホルダーなど優秀な人ばかり。彼らが好きな価値観は「秩序、安定、効率」で、得意なスキルは論理と分析です。そうすると、会社はチャレンジをしなくなる。会社は、何度もイノベーションを起こさなければならないのに、チャレンジをしなくなるのです。
例えば、ある斬新な考えを持った部下がイノベーティブな新商品の企画を上げてきても、経営陣は「売上予測は? 開発期間は? 顧客ニーズは?」と聞く。世界初のことをしようとしているのに、答えられるわけがない。イノベーションへの挑戦は10中8~9は失敗しますが、しかし何度も挑戦し続ける中からしかイノベーションは生まれないのです。

人事担当者が育てるべきはイノベーター

レコードはCDに取って代わられました。レコード会社がいくら業務の効率化を推し進めたとしても、CDの出現で産業ごと消えてしまう。そのCDもアップルのiPad、iTuneが登場し、ビジネスモデルを変えられて縮小を余儀なくされました。このように産業は「突然死」をすることがあります。そして、この突然死から身を守るには、自らが次々とイノベーティブな商品やサービスに挑戦するしかないのです。「innovation or die」。まさに、ノベーションを起こすか、さもなければ死かという状況なのです。
一般的に企業の寿命は30年とされますが、ピーター・ドラッカーは亡くなる前、「これからは10年になるだろう」と予測しました。その予言は的中しました。企業の寿命は確実に短くなっているのです。
企業の人事担当者が、育成しなければならない人材は、まさにイノベーターです。でも、イノベーターの卵たる子どもが「将来の夢は正社員」と答えるという状況があります。彼らが10年後には入社してくるのです。人事担当者は、相当に気合を入れて取り組まないと、会社は大変なことになるでしょう。

アイデアはもちろん、勇気が絶対的に必要

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