一橋大学大学院 守島 基博 氏

トークセッション 「日本の成長戦略を支える人材戦略はいかにあるべきか」
日本の人事が変わらなければ、日本の企業は成長しない。

それぞれの省の特徴がとても良く表れていると思った。特に、労働者を助けたいという認識を持つ厚生労働省が「雇用維持型から労働移動型へ」という施策は、大変意義あることだと思っている。
これを成し遂げるためには、日本型の雇用モデルを大きく変えないといけない。人事的に大きなシフトが起こらないと、日本の社会、日本の経済は決して成長しない。企業のビジネスという観点からすると、今後の事業の方向性の期待に合わない人材を、外にだしていかなければいけない。
特に、労動移動のメインターゲットでもあるバブル期入社のミドル層は、いま非常に活性化していない。同時に漠然とした不安感があって現状のポジションに必死にしがみつこうとする。私はこの状態がいちばんいけないと思う。
そのために、言い方が適切でないかも知れないが、「健全な危機感」を与える。同時に、危機から脱するだめの学び直しや、自律的にキャリアを創り違う企業に行こうという道筋を作るという、両方の機会を与えることが人事的に重要だと思う。
アベノミクスの成長戦略を支えるためには、政府が音頭を取って頑張るだけではなく、日本の人事が変わらなければいけない。変わらないと日本の企業は成長しないし、経済も成長しない。それが今日の大きなテーマだったと思う。
本日この壇上に並んでいる5人の人間が、5人中4人が男で、ほとんど同じ年齢である。そういう状況が変わらないと。つまり壇上に女性、外国人、若い世代の人といった多様な状況にならないと、真に日本の人事を語ることはできない。その未来を担っているのは、今日出席した皆さん一人ひとりだと思う。本気で日本の人事を変えて頂きたい。

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雇用政策のこれから 【5月20日 トークセッション資料】

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