LIXILグループ 執行役副社長 八木 洋介 氏

トークセッション 「日本の成長戦略を支える人材戦略はいかにあるべきか」
民間企業がしっかりしないと、基本的には何も解決しない。

国の「成長」を考え、大胆な施策をもって人材を支援しようというマインドや方向性には賛成したい。そのために最も必要なのは「活力」ではないかと思う。
企業でうまく行かなくなった人に救いの手を差し伸べる温かみのある施策も必要かもしれないが、後ろ向きな支援ではなく、前向きで元気のある人材をいかに作っていくかということを、忘れないで頂きたいと思っている。
我々は世界と勝負し勝ちに行くために、社内の人材リソースだけでモノを考えてはいない。必要ならば、外から積極的に採用する。もちろん人を育てる努力もするが、勝負するためにはスピード感が重要なので、足りなければ躊躇なくどこからでも人材を獲得する。
前向きに人材が移動していく姿は、企業や社会全体に「活力」を生む。我々は労働移動というものがマイナスではなくプラスなのだという状況を創造していきたい。
「女性活躍の推進」は我々としては当然のことであり、積極的に行いたいと思っている。世の中の半分いる女性というリソースを十分活用しようとせず、勝てるわけがない。優秀な人であれば、男性であれ女性であれ、国籍や年齢にこだわらず、活用できる会社が強くなるに決まっている。男女雇用機会均等法が1985年にできて、いまだにこんなこと言っている状態を、私は恥ずかしいと思う。
とにかく、民間企業がしっかりしないと、いくら政府の政策が素晴らしいものであっても、基本的なところは何も解決しない。我々自身が大胆なアクションを起こしチャレンジする、そして世界で勝ちに行くことを意識する。守るのではなく、チャンスをものにするために新しい才能をどこからでも採用する。今まで使ってこなかった女性の力を使う。若い人たちの力にもっと目を向ける。多くの民間企業が過去のしがらみを乗り換えて行かないと、元気のある日本の成長はないと考える。


慶應義塾大学大学院 高橋 俊介 氏

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