多数企業のセミナー参加学生が激減

次に、個別の企業が開催するセミナーや会社説明会への参加社数の推移を見てみましょう[図表5]。プレエントリー数と違って、社数が多い区分が軒並み減少しているわけではないことが特徴です。「15~19社」「20~24社」「25~29社」の区分を見てみると、3年間での変化はそれほどあるわけではありません。ただし、「30社以上」の割合だけは、2017年卒:17%→2018年卒:14%→2019年卒:8%と、2年間で半分以下にまで激減しています。
第93回 面接早期化、学生の複数内定…年々進む、新卒採用難化
逆に、「14社以下」の区分はほぼすべてで毎年増加しており、「14社以下」の合計で経年推移を見てみると、2017年卒:48%→2018年卒:51%→2019年卒:57%と10ポイント近くの増加となっています。「30社以上」という活動量の多い学生の割合が減少し、「14社以下」の比較的活動量の少ない学生割合が増加したということになります。

他の就職ステップと傾向が異なる面接社数

次に、面接を受けた社数の経年比較を見てみると、面白い傾向が現れています[図表6]。大きく変化が見られるのは、「4~6社」の割合が毎年減少していることくらいで、その他の区分ではそれほど大きな変化が見られません。「15~19社」の区分では、2017年卒から2018年卒にかけて2ポイントの増加がありましたが、逆に2018年卒から2019年卒にかけて2ポイントの減少があり、ちょうど2年前の数字に並んでいます。2017年卒と2019年卒のデータを比較してみると、「4~6社」で5ポイントの減少が見られる以外、その他の区分での差異は2ポイント未満に収まっているのです。これはどう考えればよいのでしょうか。
第93回 面接早期化、学生の複数内定…年々進む、新卒採用難化
結論から言えば、プレエントリー社数や個別セミナー・会社説明会の参加社数から見ると、確かに学生の活動量は減っていますが、面接した社数(応募した社数)については減少しているとは言えないということです。つまり、「プレエントリー」や「個別セミナー・会社説明会」といったこれまでの就職ステップを経ることなく、いきなり「面接」からスタートする学生が増えているということです。
では、どこから「面接」にたどり着いているのでしょうか。考えられる主なルートは二つあります。一つは、「インターンシップ」です。参加者には「早期選考会・面接」の案内がされています。「インターンシップ」が「セミナー」の役割を果たしてしまっているというわけです。そしてもう一つは、「リファラル採用」や「逆求人型サイト」のダイレクトソーシングの活用です。ダイレクトソーシングは、学生に対してマスではなく個別にアプローチしており、セミナーや会社説明会に呼び込むのではなく、「個別面談」に呼び込むことが普通です。応募意思が形成されているわけではないので、「面接」ではなく、その前段階の動機形成の場を持つ必要があるわけです。そこで動機形成された学生が、応募、すなわち「面接」へと進むのです。面接社数という観点では、学生の活動量は減少していないと推測されます。

きれいな前倒し傾向を示す面接時期

面接時期の比較もしてみましょう[図表7]。面接を開始した時期ではなく、面接を実施した月をすべて選んでもらったところ、「4月」までは毎年実施企業の割合が増え、「5月」から一転して減少傾向となっています。
第93回 面接早期化、学生の複数内定…年々進む、新卒採用難化
2017年卒と2019年卒の比較では、前年10月以前:2%→5%、前年11月:1%→3%、前年12月:3%→6%、1月:5%→11%、2月:12%→24%と、2倍からそれ以上に増えています。それ以降も、3月:49%→63%、4月:79%→85%へと増加を続け、5月:92%→87%、6月:78%→64%へと5月以降は減少しています。経団連の指針では面接解禁日とされる6月に面接を実施した企業は3分の2に満たないという状況です。この流れで行けば、来年の2020年卒採用における面接のピーク月は、「5月」からさらに進んで「4月」に前倒しになりそうです。

上位校の学生ほど「面接」とは別の名目で呼び出し

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