本学の学内説明会(業界・企業研究会)が、2月11日、12日を持ちまして2012年新卒学生向けの日程をすべて終了いたしました。学内説明会への学生の参加者は昨年に比べて大幅に増加し、一日あたりの参加学生数が500人を超えるような状況でした。
さて、前回はネットの活用方法について学生にどんな指導をしているかをお伝えしましたが、今回は企業との接触方法についてご紹介したいと思います。

「デジタル就職」から「アナログ就職」へ

インターネットやメールなどのデジタルツールをメインに活動するのではなく、あくまでそれらはサブツールとしての利用にとどめ、できるだけ直接、それもFace to Faceのコミュニケーションを重視するよう指導しております。企業にコンタクトをとるならメールより電話、電話より直接会ってくるというような感じです。実際には、アナログな活動は連絡を取るのも面倒で手間がかかり非効率的な部分が多いのですが、その中での効率の良い行動方法を覚えることは、ビジネスを行う上でもかなり有効なスキルにつながると指導しています。
デジタルツールは現在、様々なルールとリスクにさらされているために表面的な内容しか出せないことが多く、会って話をすることで得られる情報はそこでしか聞けないような付加価値が高い内容が多いこと、会話の中でそうした情報を引き出す人間関係をつくれることがビジネス上非常に有効なスキルであることなどを説明し、やや引き気味の学生の背中を押すように指導しております。さらに直接会おうと電話をかけても断られることも多いことも学生が尻込みする理由の一つなのですが、これもある意味当たり前のことでそれほど気にすることはなく、むしろ誠実に対応してくれる企業は非常にねらい目(わざわざ対応してくれる会社は金沢大生採用に積極的か、人に対して誠実な社風の企業である可能性が高い)なのでは?という説明をしています。
また、具体的な活動目標として、「就活中に100人の社会人の方と直接会って仕事の話をしよう!!」と学生に呼びかけています。

いろいろなコネ(ネットワーク)を使え

一つ目の理由として、コネのあるなしが差別化につながるからという説明をしています。典型的な例が合同会社説明会より学内の説明会を重視しろということで、合同会社説明会ではそのほか大勢の中の一人としてしか企業側に認知されませんが、学内説明会に参加してくださる企業は金沢大学の学生を採用したいからであり、最初から絞りこまれた母集団に入って選考ルートに乗ることができ、有利な状況になっていることが多いわけです。
また、OB・OGとのコミュニケーションを重視するようにとも言っていますが、OB・OGリクルーターを用意してくださる企業は本学の学生を採用ターゲットにしてくれているわけなので、これも有力なコネの一つだと説明しております。理工系はすでに専攻単位で長年の信頼関係で構築した企業のとの太いパイプがあるからそれを存分に活用すること、さらに就職支援室としても企業との関係構築に力を入れており、そうした中からネット広告などに出てこないような求人も直接企業からいただくことも増えてきており、そうしたネットワークからの情報にも注意するように指導しています。
もう一つの理由は、多くのネットワークから情報を集めることによって、情報の精度を上げることができるという点です。不確定であいまいな情報に右往左往する前に、別のネットワークからその情報の確認が取れないか調べるように指導しています。学生と話をしている中で気づいたことなのですが、就活で悩んでいるときや迷っている場合、意思決定するうえでの十分な情報が集めきれていないようなのですが、そのことに気づいていない学生が多いようです。したがって、そういう場合にも別のネットワークから情報を集められないか助言することが多いです。

人が少ないブースこそが狙い目

学内説明会や合同企業説明会を回る際には、意中の企業を回ることはもちろんですが、聞きたい会社だけを回るのではなく、あまり人の入っていないブースを必ず回るように指導しています。自分も企業ブースにいて説明員をした経験があるのですが、そういうときに学生が訪れるとついいろいろな助言をしたくなるもので、結果的には就職活動に役立ついろいろな情報を得ることができることが多いようです。また年上の社会人、それも人事の人と会話するという経験値を増やす上でも有効です。さらに話を聞いてみるとまったく自分がこれまで知らなかっただけで、実はすごく魅力的なビジネスの話を聞くことができ志望業界が広がるようなことに繋がることもあるからという説明もしております。

さて、以上のような内容を学生に伝えておりますが、2012年卒業予定者の全体的な傾向としてこれまでのような超大手、あるいは人気企業への一極集中から、分散化傾向がかなり進んできているような印象です(これは本学の学生だけの傾向ではないような気もしますが・・)。最近、大手企業の採用担当の方から、「今年は例年に比べてあまり本学の学生の母集団数が多くないが、当社の人気が落ちたのでは?」という相談を受けることが多いのですが、「全体的な傾向であり、そういう中でエントリーしている学生はかなり質の部分で絞り込まれた母集団層になっているので大丈夫ですよ!!」とお伝えしております(例年よりエントリー数が少ないという状況は、非常に不安な状態であることは大変良く理解できます!!)。全体として例年よりエントリー企業数を絞って活動している学生が多いようです。これからの選考プロセスの中で真価が問われますが、しっかり指導してゆきたいと思います。
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