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HRプロ編集部取材×注目人事トレンド

【組織づくりとリーダー育成を、スピード感を持って推進する】〜やらなくていいことをやめ、未来をつくる仕事に取り組む〜

HRプロ編集部
2017/12/06

アスクレップは、マーケティング支援事業(消費財・サービス、ヘルスケア)、ビジネスインテリジェンス事業を展開するインテージグループの一員として1992年に創業されたCRO(医薬品開発受託機関)サービスを手がける企業である。同社は、2018年春に実施される国の省令改正に組織として素早く対応し、リーダーを育成することを目的に、2017年2月から『実行の4つの規律(The 4 Disciplinesof Execution、略称4Dx)』を導入している。4Dxは、世界的なロングセラー『7つの習慣(R)』を世に送り出したフランクリン・コヴィー社が戦略を実行できる組織文化をつくるために開発した4つのルールだ。戦略目標は企業にとって最も優先すべき重要な課題だが、多くの経営者やリーダーはそれが現場で実行されないという悩みを抱えている。戦略づくりに参加していない現場の社員やスタッフにとって、どんなに優れた目標も与えられたものにすぎないからだ。この事例紹介では、アスクレップで4Dxプロジェクトを主導する矢作友一社長に導入の背景やプロセス、導入後の変化を伺った。また、リーダーを務めているシステム企画部の嶋田由起夫部長とデータマネジメント2部の川島美江グループリーダーに、チームメンバーの反応や苦労した点、導入後の成果について話を聞いた。

会社として最重要目標は、 医療データを使った新たなビジネスを作ること

株式会社アスクレップ 代表取締役社長 矢作 友一 氏

――まずアスクレップがどのような企業なのか、貴社の事業内容や特徴などをご説明いただけますか。

矢作 当社はCRO(医薬品開発受託機関)サービスを提供する会社です。カテゴリーで言えば、医薬品のサービス事業にあたります。医薬品は、研究開発、臨床試験、国への承認申請、製造・販売後調査というプロセスをたどりますが、我々はその中で、国から承認を得た後で、その薬が処方箋どおりに使われているかどうか、薬の安全性や有効性を確認する部分を製薬会社から受託しています。従業員数は約600名で、正社員と派遣スタッフの割合は半々くらいです。

――具体的な内容を伺う前に、まず4Dxとはどのようなものか、簡単にご説明いただけますか。

矢作 4Dxは“The 4 Disciplines of Execution”、4つの規律を実行するという意味になります。企業は中・長期で事業計画を立てますが、市場や社会状況は刻々と変化しますし、日々やるべき業務が山積しており、突発的なアクシデントも起こりますので、将来のためにこれをやっておこうと思っても、なかなか実行できない、という状況があります。それを全社的かつ組織的に実行していくツールが4Dxです。

――実行の4つの規律(4Dx)を導入されたのは、どのような課題があったからでしょうか。

矢作 導入の背景は、2つあります。1つは、当社が手がけている医薬品の開発や調査は、国のレギュレーション(規制)の中で対応する必要がありますが、そのレギュレーションの一部が、来年の2018年春に改定が予定されています。我々はそういった外部環境の変化に備え、戦略を考え、事業計画を策定し、それを確実に実行していく必要があります。変化に対応して事業も変革していかないと競争優位を築くことはできません。もう1つの理由は、マネージャーの育成です。先ほど全体で約600名と言いましたが、当社はチームで動くことが多いのでマネージャーの肩書がない人でも、チーム運営ができる人材に育って欲しいと考えています。新たにマネージャーになった人たちや将来のマネージャー候補を、スピード感を持って育成するために、4Dxの導入に踏み切りました。もともと全社に対して『7つの習慣(R)』を導入していましたので、ある程度の共通言語のようなものはできていましたが、4Dxを導入することで会社のカルチャーをさらに変えていけるのではないかと考えました。

――今回導入されるにあたって、具体的に目標設定したものがあればお教えください。

矢作 4Dxの核はWIG(“Wildly Important Goal”)、すなわち最重要目標の設定であり、どこにBattleと呼ばれる戦場を設けていくかということです。当社には、患者×医療×ITを意識してデータビジネスを発展させていこうというビジョンがあり、医療データを使った新たなビジネスを作っていこう、というのがWar(戦争)にあたります。そのWarに勝つための最初のステップとして、今期達成すべき目標を設定し、推進しているところです。

――実際にどのような形でプログラムを導入されているのですか。

矢作 War&Battleは経営メンバーが決めていますが、それをどう達成するかは社員が自分たちで考えて決めるんですね。その自分たちで考えた目標にフォーカスし、コミットするところが4Dxのポイントだと思っています。毎週ウィークリーセッションを開催し、決めた目標に対してどう動いているのか、自分たちでスコアボードを動かして、進捗を可視化して把握しています。自分たちの活動が会社全体の目標にどう結びついているのかを認識できる仕組みになっているので、参加意識が高まりますし、わかりやすいプログラムだと感じています。

――最後に4Dx導入前後で感じられた変化があればお願いします。

矢作 ウィークリーセッションでは、チームの中で個々のメンバーが1週間の活動成果を報告し、コミットメントを達成できたときはチームメンバー同士で褒め称えあうので、それがまた次の成果につながっていくという好循環が回っています。我々は半年ごとに全社会議を行っているのですが、10月の中間期決算時に開催した全社会議で、4Dxプロジェクトの参加者数名に取り組み状況をプレゼンテーションしてもらいました。そういう活動を見せていくことも、今回の参加者はもちろん、他の社員へのモチベーションにつながっていると感じています。当社の基本はサービス業なので、プロジェクトが受注できるかできないかも“人”次第です。その意味で、4Dx導入によって「この人に頼みたい」とお客様に思っていただけるような人材が育っていくのではないかと期待しています。

このあと、実際に4Dxを導入したシステム企画部の嶋田氏と、データマネジメント2部の川島氏へのインタビューへと続いていきます。少なからず不安を抱きながら取り組んだ部署と、初めから「面白そうだ」と感じた部署では、浸透への道筋にどのような違いがあったのか、ぜひ続きをご覧ください。


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