2021年卒学生の就職活動は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、昨年までの就職活動とはまったく異なるものとなった。選考過程や内定後フォローもオンライン化される中で、学生が就職活動で苦労したことや、入社にあたって抱えている不安はどのようなものだろうか。
「就活会議」(就活会議株式会社)とHR総研は2021年卒学生を対象とするアンケートを10月14日〜30日にかけて実施し、学生の内定状況、企業による内定者フォロー、内定式の実施形態等について調査した。
フリーコメントを含めて、調査結果を以下に報告する。


<概要>
●文系・理系ともに約9割の学生が10月時点で内定を獲得
●理系は専門性を活かせることを重視、入社理由として文系より20ポイント高い結果に
●エントリーの判断は「企業の採用ホームページ」からの影響大、文理ともに約4割
●内定辞退の時期は6月が最多、理系の方が早い段階で入社先企業を判断
●内定者フォロー、内容は「オンラインでの内定者懇親会」が最多で6割
●内定式はオンラインのみでの実施が4割
●就職活動「大変だった」文系では理系より16ポイント高い結果に

文系・理系ともに約9割の学生が今年10月時点で内定を獲得

まず、調査時点(2020年10月後半)での2021年卒学生の就職活動の状況について見ていこう。
「内定を受けた社数」については、「0社」との回答は文系では12%となっており、9割近くの学生が1社以上の内定を獲得していることが分かる。理系については、「0社」は7%と文系よりさらに低く、9割以上の学生が1社以上の内定を獲得している(図表1−1)。
次に、「入社企業を決定したか」については、「決定した」が文系では87%、理系でも92%と、いずれも内定保有学生の9割ほどが入社先企業を決定していることが分かる(図表1−2)。

【図表1−1】内定を受けた社数
【図表1−2】入社先企業が決まっているか

理系は専門性を活かせることを重視、入社理由として文系より20ポイント高い結果に

次に、2021年卒の学生の入社先企業の特徴について見ていこう。
「入社予定企業の業界」については、文系では「建設、住宅、不動産」が最多で10%、次いで「情報処理、システム開発」が8%、「公務員」が8%などとなっている(図表2−1)。理系については、「電機機器、電気電子部品」が最多で18%、次いで「情報処理、システム開発」が15%、「紙、パルプ、化学、素材」が10%などとなっている(図表2−2)。文系は業界ごとの偏りが小さい一方、理系では業界ごとの偏りが大きくなっている。これは理系の方が自身の専門分野と親和性の高い業界を選ぶ傾向にあるためと考えられる。
次に、「入社予定企業の企業規模」については、文系では1,001名以上の大企業が47%、301名〜1,000名の中堅企業が24%、300名未満の中小企業が29%となっており、大企業が半数近くとなっている。理系については大企業が57%、中堅企業が25%、中小企業が18%と、文系よりも入社先企業の企業規模が大きい傾向にある(図表2−3 )。
次に、「入社予定の企業の内定承諾の決め手」については、文系では「事業内容」が最多で59%、次いで「安定性」が48%、「勤務地」が41%などとなっている。理系では、「事業内容」が最多で62%、次いで「安定性」が55%、「仕事内容(自分の選考やスキルが活かせる)」が52%などとなっている(図表2−4)。「仕事内容(自分の選考やスキルが活かせる)」は文系では32%にとどまっており、理系よりも20ポイントも低くなっている。「自身の専門性を活かせるかどうか」についての重視の度合いが、文理で大きく異なることがうかがえる。

【図表2−1】入社予定企業の業界(文系)
【図表2−2】入社予定企業の業界(理系)
【図表2−3】入社予定企業の企業規模
【図表2−4】内定承諾の決め手

エントリーの判断は、「企業の採用ホームページ」の影響大、文理ともに約4割

次に、「入社予定企業の選考エントリーにあたり、大きく影響を受けたこと」については見てみよう。文系では「企業の採用ホームページを見た」が最多で38%、次いで「オンラインでの合同企業説明会・セミナーに参加」が20%、「対面での合同企業説明会・セミナーに参加」が19%などとなっている。理系では、「企業の採用ホームページを見た」が最多で35%、次いで「対面でのインターンシップに参加」が28%、「オンラインでの企業単独の説明会・セミナーに参加」が17%などとなっている。文系、理系ともにエントリーするかどうかの判断にあたっては、「企業の採用ホームページ」を最も参考にしているようだ。また、文理の違いとしては、「対面でのインターンシップに参加」が文系では17%にとどまっており、理系の方が11ポイント高くなっている(図表3−1)。
入社予定企業のインターンシップへの参加有無についても、「参加した」との回答が文系では23%となっているのに対し、理系では35%と、理系の方が12ポイント高くなっている(図表3−2)。理系学生の志望度を高めるためには、インターンシップが重要な場となっていることがうかがえる。

【図表3−1】入社予定企業の選考エントリーにあたり大きく影響を受けたこと
【図表3−2】入社予定企業のインターンシップへの参加有無

内定辞退の時期は6月が最多、理系の方が早い段階で入社先企業を判断

次に、「内定辞退をした時期」については、文系・理系ともに「2020年6月」が最多となっているが、理系では2020年4月〜7月に辞退が集中する一方、文系では6月〜9月に集中しており、理系の方がやや早い段階で入社先の企業を決めていることがうかがえる(図表4−1)。
「内定連絡から内定辞退までにかけた時間(最長)」については、文系では「内定連絡から2週間以内」に内定辞退の連絡をした学生が30%であるのに対し、理系では46%となっており、理系の学生の方が内定後、入社するか否かの判断にかける時間が短いことが分かる(図表4−2)。
「一度内定承諾した後に内定辞退をした経験」については、文系では「ある」が27%と、約3割が内定承諾の連絡後に内定辞退をしたことがあると答えている。理系では「ある」が22%と文系よりやや低いものの、やはり2割の学生が承諾後の内定辞退を経験している(図表4−3)。この結果を見ると、企業側としては学生から内定承諾の連絡を受けても、必ずしも安心できないというのが実情のようだ。
次に、「入社・内定辞退を決める際にネガティブに働いた要因」については、文系では「給与・待遇が良くない」が最多で32%、次いで「社風が合わない」が20%、「業務内容が希望通りにならない可能性がある」が20%などとなっている。理系については、「業務内容が希望通りにならない可能性がある」が最多で26%、次いで「給与・待遇が良くない」22%、「自分の能力・スキルを活かせないと感じた」が19%などとなっている(図表4−4)。ここでも、「業務内容重視」の理系学生の特徴が明確に見られた。

【図表4−1】内定辞退をした時期
【図表4−2】内定連絡から内定辞退までにかけた時間(最長)
【図表4−3】一度内定承諾した後に内定辞退をした経験
【図表4−4】入社・内定辞退を決める際にネガティブに働いた要因

内定者フォロー、内容は「オンラインでの内定者懇親会」が最多で6割

次に、「内定後の企業からの連絡頻度」については、「1ヶ月に1回ほど」が最多で35%、次いで「2〜3週間に1回ほど」が31%、「2〜3ヶ月に1回ほど」が13%などとなっている(図表5−1)。また、1ヶ月に1回以上の頻度で連絡をしている企業を合計すると76%と、8割近くに上っている。
「参加したことのある内定者フォロー」については、「オンラインでの内定者懇親会」が圧倒的に多く58%、次いで「オンラインでの若手社員との懇親会」が28%、「内定者サイト・SNS」が26%などとなっている(図表5−2)。上位3項目はいずれもオンラインであり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、内定者フォローもオンラインでの実施がメインになっていることが分かる。

【図表5−1】内定後の企業からの連絡頻度
【図表5−2】参加したことのある内定者フォロー

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:HR総研×就活会議:2021年卒学生の就職活動動向調査 結果報告
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2020年10月14日〜30日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2021年卒業予定の「就活会議」会員学生
有効回答:413件

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Eメール:souken@hrpro.co.jp

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