HR総研:人事の課題とキャリアに関する調査 人事のキャリア【1】あるべき人事のキャリアパスは「現場経験」がトップ

HR総研では、「人事の課題とキャリアに関する調査」を2018年6月8日〜6月15日に実施した。「人事の課題」についてはこれまでに報告しており、今回から2回に分けて「人事のキャリア」についてレポートする。本調査では、「組織の現状」と「個人の実状」の双方から質問しており、今回は「組織の現状」について報告したい。

●人事に必要な能力・スキルは「コミュニケーション能力」がトップ。

人事部門のキャリアを語る上で、最も必要とされる能力・スキルは何だろうか。調査の結果、「コミュニケーション能力」(76%)がトップとなった。社内、社外に関わらず、組織横断的に「人」に関わる人事にとって、この能力・スキルは不可欠ということだろう。
2位以下には、「企画・戦略立案力」(65%)、「専門知識の高さ」(59%)、「社内人脈」(53%)、「情報感度」(50%)が続いている。昨今の人事業界では、単なる「管理部門」としての枠を超えて、「経営に資する人事」への部門変革が求められている。加えて、HRテクノロジーの台頭や、相次ぐ新規ソリューションのリリースなど、変化のスピードは加速している。
今回の調査結果は、こうした時代の背景を色濃く映すものと言える。

【図表1】人事部門の業務を遂行する上で必要とされる能力・スキル

●「現場経験は必要」。しかし、「理想」と「現実」は異なる実状。

次に、「人事部門のキャリアパスはどうあるべきか」という質問をしたところ、「最初は現場に配置し、その後管理部門での経験を積むべき」(59%)がトップとなった。今回の結果は、昨年調査の結果と変わらない。やはり現場で培った経験値は、地に足の着いた人事施策の立案にも大きく影響するからだろう。
続いて、「人事部門で最も多い異動パターン」を尋ねたところ、トップはやはり、「営業や製造など現場を経験してから人事へ異動」(23%)となった。ところが、「人事としてずっと異動せず、特定の領域に取り組む」(22%)、「人事としてずっと異動せず、担当領域を変更していく」(22%)と回答した企業が、合わせて44%存在した。つまり、「人事としてずっと異動しない」=「現場を経験していない」というケースが、半数弱ということである。
この傾向は従業員数301〜1000名の企業で最も顕著だが、企業規模別で見ても、ほぼ同じである。

【図表2】あるべき人事部門のキャリアパス
【図表3】人事部門で最も多い異動パターン

●人事部門の人材配置・育成には、7割が「課題あり」と回答

こうした人事部門の人材配置・育成については、72%が「課題がある」と回答している。
具体的な内容に関するフリーコメントを求めたところ、「現場感覚」や「ビジネスへの理解」を求める声が多かった。また、企業規模が小さくなるほど、「(質・量ともに)人員不足」という傾向にあるようだ。以下に抜粋してご紹介しよう。

・専門性に偏りが出てきてしまう為、担当領域を変更していく必要性はある。(1001名以上/サービス)
・異動(キャリアパス)についての仕組みがない。(1001名以上/サービス)
・人事に固定されがちで、今後のキャリアパスに広がりを感じにくい。社外からの女性管理職はいるものの、社内でのたたき上げ女性管理職がいないため、女性のキャリアパスのイメージがつきにくい。(1001名以上/メーカー)
・専任となり、ローテーションがしづらい。(1001名以上/情報・通信)
・現場を知らない、実情を見ていない。(1001名以上/メーカー)
・ビジネスを知る人間が少ない。その結果、人事のルーティン業務を遂行することが人事の役割と考える社員が多くなってしまっている。(1001名以上/メーカー)
・現状維持、前例踏襲思考が強く、向上心が見られない人材が多く配置されている。仕事の仕方・姿勢が個人に依存されている。(1001名以上/メーカー)
・ビジネスラインでの経験が不足している場合が多く、ビジネスに対する理解が不足。(301〜1000名/サービス)
・若手が入ってこないので組織が硬直化している。(301〜1000名/メーカー)
・人事異動を定期的に行うべきであるが、人員不足もあり考えるとおりに行えていない。(301〜1000名/メーカー)
・個人の能力に依存する分野が多く、限られた人員とスペースの中で、能力の継承が難しい。(301〜1000名/メーカー)
・管理職層の人材が現場から異動で配置され、プロパーの人事部員の昇格が遅れ、モチベーションが著しく低下している。(301〜1000名/情報・通信)
・人員不足とスキル・能力のばらつき。(300名以下/メーカー)
・有能で信頼できる人でないといけないが、そのような人は他部署からも必要とされる。(300名以下/商社・流通)
・他部署の人材が人事に来たがらない。(300名以下/運輸・不動産・エネルギー)
・部門の老齢化、人員不足。(300名以下/マスコミ・コンサル)

【図表4】人事部門の人材配置・育成課題の有無

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】人事の課題とキャリアに関するアンケート調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2018年6月8日〜6月15日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:上場及び未上場企業の人事責任者・ご担当者
有効回答:165件

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