株式会社帝国データバンクは2026年2月18日、初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)の結果を発表した。調査期間は2026年2月5日~9日で、1,541社から有効回答を得ている。調査結果から、企業における新卒初任給の引き上げ状況やその平均額などが明らかになった。
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7割近くが初任給を引き上げ。小規模企業は50%にとどまる
人材獲得競争の激化や最低賃金の上昇、また各社のベースアップ実施などを背景に、新卒初任給の引き上げは広がりを見せている。しかし、物価高や原材料費の上昇が企業収益を圧迫するなか、すべての企業が同様に対応できているわけではない。では、企業の初任給引き上げに関する実態や課題はどのようになっているのだろうか。調査では、2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給を「前年度から引き上げる」と回答した企業は67.5%となった。前回調査(71%)からはやや低下したものの、依然として7割近い水準を維持している。企業からは「人材確保やインフレ対策のため」、「最低賃金の上昇への対応」といった声が寄せられ、厳しい経営環境下でも採用競争を意識した判断がうかがえる。また、賃金テーブル全体のベースアップに伴い、初任給も引き上がったというケースもみられた。

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一方で企業規模別に見ると、「大企業」(65.6%)と「中小企業」(68.2%)はいずれも6割台後半だったのに対し、「小規模企業」は50%にとどまり、全体平均を大きく下回った。小規模企業では「原資の確保が難しい」との声が目立ち、資金面での課題感がうかがえた。
さらに、既存社員との賃金バランスを理由に引き上げを見送る企業も少なくない。新入社員の給与が既存社員を上回る“逆転現象”への懸念が、判断を難しくしているようだ。

平均引き上げ額は「9,462円」。大企業が中小企業を上回る
「初任給を引き上げる」とした企業に、実際の引き上げ額を尋ねたところ、「1万~2万円未満」が47.4%で最多となり、「5千~1万円未満」が31.6%で続いた。平均引き上げ額は9,462円となり、前年度(9,114円)から348円増加している。企業規模別では、「大企業」が9,749円、「中小企業」が9,371円と、大企業が約400円上回った。実施割合では中小企業が大企業をやや上回ったものの、引き上げ幅ではなお差が見られる状況だ。

初任給「25万~30万円未満」が2割近くに拡大
2026年度の初任給水準をみると、「20万~25万円未満」が61.7%で最多となった。一方で、「25万~30万円未満」は17.8%と前年より6.4ポイント上昇し、2割近くに拡大している。また、“20万円未満”(「15万円未満」と「15万~20万円未満」の合計)は17.8%と、前年から7ポイント低下しており、全体として初任給水準の上昇傾向が続いている。
さらに企業規模別では、「大企業」で“25万円以上”が30%に達したのに対し、「中小企業」は17%にとどまり、水準面での格差も依然として存在していることがうかがえる結果となった。

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本調査から、2026年度も企業の約7割が新卒初任給を引き上げる見通しであることが明らかとなった。平均引き上げ額も前年を上回り、賃上げの流れは継続しているようだ。しかし、物価高やコスト増が経営を圧迫するなかで、コスト面での課題を持つ企業も一定数あることが分かった。特に小規模企業では引き上げ割合が半数にとどまり、既存社員との賃金バランスや人件費総額の増加への対応が大きな課題となっている。企業規模間の格差拡大という実態のなか、新卒採用を巡る賃金競争は今後も続いていきそうだ。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001268.000043465.html
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