株式会社マイナビは2025年5月14日、2026年卒業予定の全国の大学生・大学院生(以下、26卒生)を対象に実施した「マイナビ 2026年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2025年3月18日~4月6日で、26卒生3,224人から回答を得ている。調査結果から、地元就職(Uターン含む)を希望する学生の割合や、地元就職を選択する理由、インターンシップが与える影響などが明らかになった。
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地元就職(Uターン含む)を希望する学生は56.4%。21卒・22卒と同水準に
若年層の東京を中心とした都市部への流入が増加するなか、地方においては若者の地元定着が課題の一つとなっている。そうした中でも、Uターン就職など、地元での就職を希望する学生は一定数いるだろう。では、学生が地元就職を選択する理由や、それを阻む要因にはどのようなものがあるのだろうか。はじめにマイナビは「地元就職を希望するか?」と尋ね、「希望する」もしくは「どちらかというと希望する」とした人の割合を合計して“地元就職(Uターン含む)希望割合”を算出した。すると、今回の26卒調査では56.4%と、前年比5.9ポイント減の結果になった。4年ぶりに6割を切っており、水準としては21卒・22卒と同程度まで下がっている。
一方、“大学(大学院)に進学した時点での地元就職希望割合”は54.6%で、進学時~調査時点までの変化は1.8ポイントにとどまっている。
同社はこれらの結果に対し、「22年卒~25年卒は大学進学時や大学生活をコロナ禍で過ごし、リモートワークが増えたことなども影響して地元就職希望が高まったとみられるが、26年卒が大学進学するタイミングでは行動制限はほとんどなくなっていた。コロナ禍以降に大学生活を過ごしたことで、在学中に地元就職希望が高まらなかった可能性がある」との見解を示している。

地元就職を希望する理由/希望しない理由とは?
次に同社は、「地元就職(Uターン含む)を希望する理由」について尋ねている。その結果、最多となったのは「両親や祖父母の近くで生活したい」で48.1%、以下は「実家から通えて経済的に楽」(41.7%)、「地元(Uターン先)での生活に慣れている」(39.6%)などが続いた。
一方、「地元就職(Uターン含む)を希望しない理由」では、「志望する企業がないから」(36.8%)が最多となった。以下、「給料が安そうだから」(27.3%)、「都会の方が生活の上で便利だから」(27%)などが続いている。

85.6%の学生がインターンシップ・仕事体験をきっかけに地元就職を意識
続いて同社が、「地元就職(Uターン先)のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがあるか」を尋ねたところ、「ある」との回答は33.8%となった。さらに、同回答の割合を“地元進学”の学生と“地元外進学”の学生とで分けて集計すると、男女を問わず“地元進学”の学生の方が高くなった。
また、インターンシップ・仕事体験に参加したことがある学生に、「参加してみて、地元就職(Uターン含む)に対する考え方はどう変わったか」と尋ねたところ、85.6%の学生が「地元就職を意識するようになった」と回答した。

今回の調査結果から、インターンシップや仕事体験をきっかけに地元就職の意向が芽生えるケースもあることが分かった。地元企業や自治体が学生のUターン・地元就職を促進するためには、インターンシップを通じた魅力発信の強化や、給与水準・キャリアパスの明確化といった、より戦略的なアプローチが必要かもしれない。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002161.000002955.html
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