初任給「全学歴引き上げ」75.6%、大学卒は「26万5708円」に。労務行政研究所が2026年度速報を公表

一般財団法人 労務行政研究所は2026年4月30日、2026年度の新入社員初任給に関する速報集計結果を公表した。調査は3月下旬~4月9日までに寄せられた回答から、東証プライム上場企業205社を対象に集計している。調査結果から、初任給を「全学歴引き上げ」とした企業の割合や、大学卒の初任給水準などが明らかになった。

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初任給「全学歴引き上げ」は75.6%。前年からはやや減速

新卒採用市場では、人材獲得競争の激化や物価上昇を背景に、初任給の引き上げが続いている。では、2026年度の初任給改定はどこまで広がっているのだろうか。労務行政研究所の速報調査からは、引き上げの動きが引き続き広がる一方で、前年よりもペースに変化が見られる実態が浮かび上がった。

同研究所によると、東証プライム上場企業205社のうち、2026年度に初任給を前年度から「全学歴引き上げ」とした企業は75.6%となった。前年・2025年度速報時の83.2%からは7.6ポイント低下したものの、全体の約4分の3を占めている。

一方、「全学歴据え置き」とした企業は21.5%となり、前年の14.2%から7.3ポイント上昇した。初任給引き上げの流れ自体は継続しているものの、前年の大幅改定局面と比べると、2026年度はやや落ち着きを見せていることがうかがえる。

初任給の改定状況

初任給の改定状況

大学卒の初任給は「26万5708円」。修士は“28万円台”に



2026年度の初任給水準を見ると、全産業ベースの平均額は大学卒で「26万5708円」、大学院卒(修士)で「28万2645円」、短大卒で「23万1975円」、高校卒で「21万7981円」となった。

大学卒では26万円台半ば、大学院卒では28万円台に達しており、主要企業における初任給水準が引き続き上昇傾向にあることがわかる。人材確保を目的とした待遇改善が、初任給の水準そのものを押し上げている状況が読み取れる。

2026年度決定初任給の水準および同一企業における上昇額、上昇率

2026年度決定初任給の水準および同一企業における上昇額、上昇率

大学卒の85.6%が引き上げ。平均上昇額は「1万6754円」

大学卒(一律設定)の改定状況を見ると、前年度から初任給を「引き上げ」とした企業は85.6%にのぼり、「据え置き」は14.4%だった。

2026年度学歴別決定初任給の改定状況

2026年度学歴別決定初任給の改定状況
また、引き上げを実施した企業の上昇額では「1万~1万2000円未満」が20.7%で最も多く、平均上昇額は「1万6754円」となった。1万円超の引き上げが一定のボリュームゾーンとなっていることから、初任給改定がわずかな調整にとどまらず、採用競争を意識した水準で行われていることがうかがえる。

2026年度学歴別決定初任給の上昇額分布

2026年度学歴別決定初任給の上昇額分布
本調査結果から、2026年度も初任給引き上げの流れが継続している一方、その勢いにはやや落ち着きが見え始めていることがわかる。特に大学卒では引き上げ実施企業が8割を超え、初任給の水準も26万円台半ばまで上昇しており、新卒採用市場における待遇競争は依然として高い水準にある。一方で、前年から「全学歴引き上げ」の割合は低下し、「据え置き」が増加していた。初任給の引き上げが一巡しつつある中、今後は単純な水準競争だけでなく、既存社員との処遇バランスや昇給設計、入社後の成長機会を含めた総合的な報酬設計が、採用力を左右する局面に入っていくのではないだろうか。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000076110.html


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