嫁ブロックとは、転職や独立を考えた既婚男性が、妻の反対に遭うことをいいます。

もともとは、人材紹介会社などで使われる業界用語だったようですが、最近では、広く一般でも使われるようになっています。

2016年にエン・ジャパンが、自ら運営する人材紹介会社集合サイト『ミドルの転職』( https://mid-tenshoku.com/ )を利用している35歳以上の男性を対象に実施したアンケート調査によると、嫁ブロックを経験した人は24%、約4人に1人という結果になりました。

理由としては、「年収が下がる」が最も多く42%、以下「有給休暇の取得率が低い(26%)」「転職先の企業や業界にあまり良い噂を聞かないから(26%)」「年間休日日数が少ない(15%)」「福利厚生が良くない(13%)」などが上位に並びました。

では、実際に嫁ブロックで内定を辞退したことのある人はどのくらいかというと、44%という結果でした。そして、そのうち63%の人が辞退して良かったと回答しています。

辞退した人のコメントとしては、「家族の時間が減る」「今までと生活リズムが変わることで、同居の家族に迷惑がかかるので、なるべく仕事のリズムが不安定なところはやめて欲しいと言われた」「家族の時間が減る」などが挙がりました。

言うまでもありませんが、夫の転職は、妻にとって大きな問題です。収入や休みなど、現状に大きな不満がないのであれば、敢えて転職しなくてもいいと考えるのは、不思議ではありません。

先のアンケート調査は、裏を返せば、嫁ブロックをされたことがない人が76%、つまり、嫁ブロックをされた人のうち56%は、内定を辞退せずに転職したことになります。

しかし、入社後、気持ちよく働いてもらい、会社に貢献してもらうため、人事担当者としては、やはり嫁ブロックは無視できません。

新卒採用の場合には、内定者の両親や家族を会社に招き、社長自ら先頭に立って、懇親会などを開催する企業もあります。両親に会社のことを知ってもらい、不安を払拭してもらうためです。

そこまでする必要はないかも知れませんが、転職者の妻や家族の理解を得るために何らかの努力は、やはり必要なのではないでしょうか。