定量分析の考え方に基づく人事制度改革のトレンド

「定量分析に基づく合理的な人事制度設計」
私どもは、さまざまな課題をお持ちのクライアント企業に対して定量分析による診断を行い、結果に基づいて有効な人事施策をご提示するサービスをご提供しているが、定量分析の考え方に基づく人事制度改革のトレンドはどうなっているのかというところを、最後にご紹介したい。

 たとえば、等級制度は会社のなかで必要な能力や必要な人材像を定義したもので、これまではその定義の方法に関する議論が多かった。しかし最近は、いつ何人の人を採用し、いつどれくらいの人が昇格して管理職になっていくかという人数構造設計をきちんと行わないと、本当に正しい等級制度にはならないということが大きな議論になっている。昇格管理についても、管理職ポストの数と管理職になる年齢を規定すれば、毎年何人を管理職にするべきかがわかるといった、定量的数値的管理の必要性が注目されている。
 企業の人事の方々に申し上げたいのは、自社の問題・課題を本当に正しく把握しているかどうか、それが経営層に正しく伝わっているかどうかを疑ってみていただきたいということだ。また、人事分野の問題・課題や施策について、必ずしも人事の専門家ではない経営層や株主に伝える必要がある以上、誰でも数字で理解できる合理的なスタンスに依拠することが重要だ。経営計画を人事として保証するという役割が、いま、人事部門には強く求められてきているのではないか。お話ししてきた定量的、合理的なアプローチを、そのための武器としてお使いいただければと考えている。

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