4社以上のインターンシップ参加者が過半数に

さて、ここからは就活生を対象に実施した「2024年卒学生の就職活動動向調査」の結果を見ていきます。まずは、「インターンシップ参加社数」です。文系と理系を比べてみると、文系では「10社以上」が最多で24%と4人に1人となっており、次いで「4~6社」18%、「3社」14%などが多くなっています[図表9]
[図表9]インターンシップ参加社数
一方、理系で最多は「4~6社」25%で、次いで「10社以上」20%、「3社」16%などが多くなっています。「4社以上」(「4~6社」~「10社以上」の合計、以下同じ)では、文系と理系がいずれも53%で半数を超えており、積極的に多くの企業のインターンシップに参加している様子が分かります。

インターンシップを「対面型」と「オンライン型」に分けて参加社数を聞いたところ、対面型では「10社以上」は文系3%、理系1%と極めて少数派であり、「4社以上」に広げても、文系13%、理系11%と1割強しか参加していません[図表10]
[図表10]対面型インターンシップ参加社数
文系では、「0社(応募をしていない)」が29%で最も多く、「0社(応募はした)」を合わせると、参加経験のない学生が38%と4割近くにも及びます。理系も34%の学生が参加経験なしです。オンライン型と比べて対面型のインターンシップは受け入れ人数が少なくなりがちです。その分、企業は応募学生を事前に絞り込まざるを得ず、学生からすれば応募しても事前選考で不合格となってしまうことが少なくありません。「0社(応募はした)」が、文系10%、理系では13%にも上ることも、対面型インターンシップの特徴です。

参加した社数では文系・理系ともに「1社」が最も多く、次いで「2社」が続き、両方を合わせると、文系で40%、理系では47%となるなど、参加社数が少ないのも特徴です。逆にいえば、対面型で学生と接点を持つことができたこれらの企業は、学生に強いインパクトを残すことができたものと推測されます。

一方、オンライン型では、「10社以上」が文系・理系ともに12%あるのをはじめ、「4社以上」に参加した学生は文系41%、理系40%と4割にも及び、参加経験のない学生はいずれも24%に減少します[図表11]
[図表11]オンライン型インターンシップ参加社数
参加した社数では、文系・理系ともに「4~6社」が最多となり、それぞれ15%、23%となっています。対面型で最多だった「1社」との回答は、文系では9%にとどまり、割合は最も低くなっています。理系では、「1社」は14%で「4~6社」に次ぐ割合となっています。

理系向け、10月のインターンシップは鬼門か

今度は、「インターンシップ参加時期」について、文系・理系別に、さらに対面型とオンライン型を比較しながら見ていきましょう。それぞれの形式ごとにインターンシップへの参加経験のある学生だけに絞って集計していますので、対面型とオンライン型の回答母数は異なります。ご注意ください。

まずは、文系からです。対面型・オンライン型で差が見られなかったのは、「2022年6月以前」と「2023年3月」で、それぞれ16%、8%でした[図表12]。残りの時期はすべてオンライン型が対面型を上回っているものの、月ごとの増減の傾向はほぼ似通ったものとなりました。
[図表12]インターンシップ参加時期(文系、複数回答)
参加者割合がもっと高かったのは「2022年8月」で、対面型41%、オンライン型53%となり、次いで「2022年12月」もそれぞれ41%、50%と、ほぼ近い割合になっています。前回の本欄で紹介した「2024年新卒採用動向調査」結果では、企業のインターンシップ実施時期は「8月」(57%)が突出しており、「12月」(41%)とはやや開きが見られましたが、学生の参加割合は同程度となっています。就職活動を開始している学生が増加し、1社当たりの参加者数が多かったものと推測されます。「8月」より「12月」のほうが、インターンシップ応募学生を集めやすそうです。

また、「2024年新卒採用動向調査」では、「9月」(30%)、「10月」(27%)、「11月」(30%)、「1月」(30%)は、「8月」と比較して実施企業の割合が半分程度になっていたのに対して、学生の参加割合は「8月」と比較してそれほどの減少は見られません。「8月」はインターンシップ実施企業が多く、応募学生の熾烈な争奪戦になるのに対して、それ以外の月は実施企業がそれほど多くなく、効率的に応募学生を集めることができそうだと推測できます。先に挙げたように、「産学協働による自律的キャリア形成の推進」要件に合致させるには、長期休暇、すなわち夏期休暇中に実施する必要があります。「8月」よりは「9月」に実施するほうが良さそうです。さらに、「産学協働による自律的キャリア形成の推進」要件にこだわらないのであれば、「10月」「11月」「1月」などもねらい目となってきます。

一方の理系ですが、ほぼすべての時期でオンライン型が対面型を上回っている点は文系と似ているものの、一部では異なる様相も呈しています[図表13]。例えば、「8月」のオンライン型は61%と際立って高く、文系の53%と10ポイント近くも高くなっています。翌「9月」は文系の49%とほぼ同程度の51%なのに対して、「10月」は文系の44%より6ポイント低い38%となっており、結果的に8月から10月にかけては23ポイントも減少しています。ちなみに、この間の文系の減少幅は9ポイントに過ぎません。
[図表13]インターンシップ参加時期(理系、複数回答)
対面型の参加割合はもっと極端です。8月から10月にかけての減少幅は、文系の10ポイントに対して、理系は実に34ポイントと、3倍を優に超えます。10月の参加率はわずか11%(文系31%)しかありません。原因として考えられるのは、学生が出席する必要がある学会の開催が多かったのかもしれません。10月に就職活動が制限されることを見越して、余裕のある8月中にインターンシップへの参加が集中したとも考えられます。

来年度以降、対面型でのインターンシップをさらに強化する企業が増えるものと予想されますが、理系学生をターゲットにする場合、実施時期は10月を避けたほうが良さそうです。

1週間以上を希望する学生も多い理系

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