現代は“和”を重視した時代から、“個”が尊重される時代へ移り変わっていると言われる。そうした世の変化に呼応するように、学生たちの就職観にも変化は生じているのだろうか。マイナビは2020年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生(調査開始時点)を対象とした「就職意識調査」を実施し、その結果を発表した。(有効回答は48,064名。内訳は、文系男子13,341名、文系女子19,811名、理系男子8,789名、理系女子6,123名)
まず、学生の就職観を探っている。本調査では、2020年卒業見込みと2019年卒業の学生の価値観の推移について比較している。結果は下の表のとおり。同社では2001年より同様の調査を行っており、10年以上変わらず「楽しく働きたい」がトップだという。また、文系女子では4割を超えている他、男子では文理ともにこの項目を選ぶ割合が前年に比べ増加している。働き方改革が浸透し、個人の生活と仕事の両立を前提として「楽しく働きたい」と考えている学生が多いと推察される。
行きたくない会社について尋ねると、こちらも調査開始以来、首位を守ってきた「暗い雰囲気の会社」(28.5%)を抜いて、「ノルマのきつそうな会社」(34.7%)が初のトップとなった。3位には「休日・休暇がとれない(少ない)会社」(24.9%)が続いている。他、注目すべきは、「転勤の多い会社」(23.6%)が、「仕事の内容が面白くない会社」(18.4%)を上回る4位となっている点だ。仕事内容の充実ぶり以上に、昨今の学生は希望の勤務地や自分のペースで働ける企業を好む傾向があり、企業選択で重視するポイントとも通ずる結果となった。