終身雇用から成果主義へとシフトしていることから、「離職」や「転職」に対するネガティブな印象は退化しつつあります。しかし、離職・転職に対するハードルが下がった今、入社後のギャップや評価、給与・賞与など、さまざまな要因が早期退職につながっていることもあるでしょう。今回はそんな「離職」について、直近でHRプロが取り上げてきたトレンドニュースをまとめました。「離職」に関する数ヵ月の動向を以下でご覧ください。
【離職】に関するニュースまとめ|23年10月~24年1月版

約8割が“入社後ギャップ”を実感し、「3ヵ月以内」の離職が半数に

約8割が“入社後ギャップ”を実感し、「3ヵ月以内」の離職が半数に
エン・ジャパン株式会社は、「就業前後のギャップ」についての調査結果を発表した。はじめに就業者2,626人を対象として、「入社前後でギャップを感じたことがあるか」を尋ねると、「ある」との回答は8割に迫ったという。そこで、「ギャップを感じたポイント」を尋ねると、「仕事の内容」や「職場の雰囲気」、「仕事の量」が上位を占めたとのことだ。

また、就業前後でギャップを実感した経験がある人に、「そのギャップが原因で仕事を辞めたことがあるか」を尋ねたところ、半数を超えたという。合わせて、「退職した仕事における入社から退職までの期間」を尋ねた結果、「1ヵ月以内」(26%)が最も多く、以下、「2~3ヵ月以内」(25%)、「2年以上」(16%)が続いた。就業前後にギャップを感じて入社3ヵ月以内に離職した人は、半数を超えることが明らかとなった。

【人事評価】不満を抱える従業員は7割超に。「意欲低下」や「転職」につながる声も

【人事評価】不満を抱える従業員は7割超に。「意欲低下」や「転職」につながる声も
株式会社ライボは、「2023年人事評価の実態調査」の結果を発表した。まずは全国の20~50代の男女758名を対象に、「会社からの評価に不満を感じたことはあるか」を尋ねた。すると、「感じている」と示した人の合計は75.2%と、7割を超えた。その理由には、評価制度や上司からの評価に対する不満の声が聞かれたという。

次に、「評価によりモチベーションが下がった経験はあるか」を尋ねたところ、「ある」との回答は8割に迫ったとのことだ。その理由は、「成果と報酬が見合っていなかったから」が最も多く、以下、「評価の基準が不透明だったから」、「上司が自分をちゃんと見てくれていないと思ったから」が上位を占めた。

また、「評価によって転職を考えた経験があるか」の問いに対しても、「ある」との回答は7割を超えた。この結果から、会社からの評価が個人のモチベーションや転職を考えるきっかけに大きく影響していることがわかった。

【インボイス制度】業務負担増により20~30代経理担当者の約4割が“異動・離職”を検討

【インボイス制度】業務負担増により20~30代経理担当者の約4割が“異動・離職”を検討
インボイス制度を考えるフリーランスの会は、「インボイス制度についての意識調査」の結果を発表した。インボイス制度の導入により、経理の業務は変化・増加することが予想されるが、経理実務に携わる709名を対象に「同制度が原因で経理の仕事を離れたいと思ったことはあるか(導入前時点の意向)」を尋ねた。その結果、離職の意向を示した人は2割を超えたという。

そこで、「異動」もしくは「退職/転職」を希望する人の割合を年代別に比較したところ、合計が最も多かったのは「30代」(40.5%)で、以下、「20代」(38%)、「50代」(25.9%)だった。

また、「制度導入前の時点で困っていること」として「業務負担が膨大に増えている」とした人が最も多かった。中でも、「煩雑な経理作業」や「社内周知のための説明」、「取引先への確認・説明・相談」といった負担の増加を訴える回答が多く見られたという。

6割以上が「賞与額」を理由に転職。金額の理想と現実には大きな差が

6割以上が「賞与額」を理由に転職。金額の理想と現実には大きな差が
株式会社マイナビは、「2023年冬のボーナスと転職に関する調査」の結果を発表した。本調査は、正社員である20~50代の男女のうち、2023年10月に転職活動を行った人、または今後3ヵ月以内に転職活動を行う予定の人1,318名から回答を得ている。

まずは、「『賞与が少ないこと』を理由に転職をしたことがあるか」を尋ねた。すると、「ある」との回答は62.5%と、6割を超えた。

そこで、「自分の仕事に見合う理想の賞与額」を尋ねたところ、全体平均は「89.2万円」、部長クラスでは「193.4万円」、課長クラスでは「132.7万円」だったという。対して、「今年(2023年)想定している冬の賞与額」を尋ねると、全体平均は「46.2万円」と、前年の同調査(46.7万円)よりも低く見積もっている人が多かったという。また、自分の仕事に見合う理想の賞与額(平均89.2万円)とは、大きく乖離していることも明らかとなった。

【新人・若手の早期離職】理由は「労働環境・条件の悪さ」が原因に

【新人・若手の早期離職】理由は「労働環境・条件の悪さ」が原因に
株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、「新人・若手の早期離職に関する実態調査」の結果を発表した。本調査の対象は、大学・大学院卒で入社1~3年の正社員・正職員435名と、直近3年以内に新入社員(正社員)の育成担当者および上司になった人915名の、計1,350名だ。

はじめに「過去3年以内に自己都合で退職をしたことがあるか」を尋ねると、「ある」との回答は2割弱だったという。そこで、その理由を聞くと「労働環境・条件がよくない」が25%で最も多く、以下、「給与水準に満足できない」が18.4%、「職場の人間関係がよくない、合わない」が14.5%だった。

また、過去3年で自己都合での退職したことはないとした回答者に、「離職を想起した経験の有無」を尋ねると、「ある」は約6割と半数以上いることがわかった。「離職したいと思った理由」には、「仕事にやりがい・意義を感じない」などの理由があがった。

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