ユームテクノロジージャパン株式会社は8月29日、「育休復帰後の“壁”」に関する調査結果を発表した。調査は2022年7月11日に行われ、直近1年以内に育休が明け、正社員として職場復帰した女性108名から回答を得ている。調査結果から、育休復帰後に女性が直面した悩みの内容や、悩みを解決するために取った行動などが明らかとなった。
女性が“育休復帰後に直面する悩み”は「キャリア・ポジションの維持」が最多に。女性活躍推進に向けた企業のサポートとは

約8割の女性が「育休復帰後の“壁”」に直面した経験を持つ

厚生労働省の「令和3年度雇用均等基本調査」によると、女性の育休取得割合は89.5%と前年比で2ポイント上昇し、女性の育休取得は増加傾向にある。そうした中、職場復帰後に女性が抱える悩みとしては、どのようなものがあるのだろうか。ユームテクノロジージャパンはまず、「育休復帰後に“壁”に直面した経験があるか」を尋ねた。すると、「かなりある」が24%、「ややある」が53.7%で、合計は77.7%だった。
女性が“育休復帰後に直面する悩み”は「キャリア・ポジションの維持」が最多に。女性活躍推進に向けた企業のサポートとは

育休復帰後の悩みは「従前のキャリアやポジションが維持できないこと」が最多に

次に、「育休復帰後に“壁”に直面した」とした人に対して「どのような“壁”か」を尋ねると、「育休前に積み上げたキャリア/ポジションが維持されない」が46.4%で最も多く、以下、「事業や会社の方向性がつかめない」が27.4%、「今までのスキルや経験が活用できない」が25%、「時短勤務に対する職場の理解がない」が23.8%、「自分の成果が評価されない」が22.6%、「任される仕事のレベルが下がった」が21.4%、「職場の態度が育休前と異なる」が13.1%となった。

自由回答では、「同期のスキルに到達できない」、「子どもの急な体調不良で思うように仕事が進まない」、「育休前より給与が下がった。求められるスキルが急に高くなったものの、それに伴う仕事量をもらえなかった」、「短時間というだけでフルタイムと同等に評価されない」などの声が寄せられた。
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6割の女性が育休復帰後に「周囲への感謝」を伝えることを意識

続いて、「“壁”を乗り越えるために意識したこと」を尋ねた。すると、「周囲への感謝を伝える」が65.5%で最も多かった。以下、「夫婦で家事を分担する」と「頑張りすぎない」がともに39.3%、「家族や友人に相談する」が35.7%となった。

自由回答では、「業務の進捗を周りと積極的に共有した」、「わからないことは素直に聞く」、「ある程度割り切って給料分の仕事をするという意識になった」、「急に休んでも大丈夫なように、引き継ぎ事項を必ずわかるようにしておく」などの声が寄せられた。
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育休復帰後の支えで重要なのは「夫の協力」や「上司とのコミュニケーション」など

最後に、「育休から復帰した際に助けになったこと」を同社が尋ねると、「夫の家事の手伝い」が53.7%で最多だった。以下、「育休前と同じポジションでの復帰」が36.1%、「上司との密なコミュニケーション」が31.5%、「家族との時間の確保」が27.8%、「育休後にスキル面におけるリハビリ期間があった」が16.7%、「職場による現在の会社や事業についての説明」が12%と続いた。
女性が“育休復帰後に直面する悩み”は「キャリア・ポジションの維持」が最多に。女性活躍推進に向けた企業のサポートとは
本調査から、多くの女性が育休復帰後に、キャリア・スキルの中断や育児との両立など、何らかの“壁”に直面した経験を持ち、女性自身が“壁”を乗り越えるために意識した行動を取っていることがわかった。育休復帰後の女性の活躍を推進するためには、企業側が男性の育児参加や周囲への理解を促す取り組みを行うことが重要だろう。

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