AI inside 株式会社(以下、AI inside)は2021年12月21日、企業・団体における、DX推進に向けた「AIの活用・内製化、AI人材の育成」の状況把握を目的として実施した調査の結果を発表した。調査期間は2021年10月15日~17日で、正社員として働く全国の20~50代、計2,000名から回答を得た。これにより、DXやAI活用が企業でどの程度進んでいるかなどが判明した。
企業の「AI活用」と「DX推進」の実施状況とは。AIの内製化に向けた課題は人材育成か

DX推進・AI活用を行なっている企業・団体は2割以下に

社会全体でデジタル化やDXの動きが広まるなか、企業のDX推進やAI活用は進んでいるのだろうか。

はじめにAI insideは、「DX及びAIの活用状況」について質問している。すると、「AIを活用して、新たな価値創出ができている」が5.1%、「AIを活用して、新たな価値創出を目指している」が7%、「AIを業務効率化の範囲で活用している」が5.7%となった。「DX推進・AI活用をしている」との回答は合わせて17.8%となり、DX推進率やAI活用率は2割を下回ることが判明した。

また、「DX推進には取り組んでいるが、AI活用まではできていない」(7.4%)、「DX推進、AI活用共に必要性は感じているが着手できていない」(6.5%)などという回答も一定数あり、検討はしているもののAI活用まで着手できていない実態が浮き彫りになった。
企業の「AI活用」と「DX推進」の実施状況とは。AIの内製化に向けた課題は人材育成か

AIソリューション導入企業の6割超が内製化に前向きな姿勢

続いて同社が、「システムの内製化状況」に関して、AIソリューションを導入している層に尋ねると、「自社開発を行い、内製化に取り組んでいる」が37.2%、「開発は外注だが、自社開発を検討している」が24.3%で、合わせて61.5%となった。すでにAIソリューションを導入している層では、約6割が内製化に向けて前向きな方針であることがうかがえる。

一方で、AIの導入における「内製化の際の課題」に関する質問に対しては、「AIについて技術・知見のある人材がいない」が上位となり、社内でAIリテラシーが不足しているために、内製化が推進できていないという状況が浮き彫りとなった。
企業の「AI活用」と「DX推進」の実施状況とは。AIの内製化に向けた課題は人材育成か

AI導入と並行した人材育成も。全体ではAI人材育成に消極的な意見も

そこで同社が、AIソリューションを現在導入している層に「AIに関する研修および人材育成の実施状況」について質問すると、「研修を実施し、人材育成を行っている」との回答が36.8%で最も多く、続いて、「研修の予定はあるが未着手、もしくは検討中」が19%となった。「社内のAI人材は十分確保できている」という回答はわずか10.5%となり、AIを活用しつつ、人材育成に取り組んでいる傾向がうかがえる。

一方、全体では「AI人材育成の予定はない」との回答が70.8%となり、7割を超える企業・団体では、AI人材育成について検討段階に達していないことがわかった。これに対して、「AI人材は十分確保できている」は3.2%ほどにとどまる結果となった。この状況について同社は、「全体としてはAI人材が不足しているにも関わらず、費用対効果が分かりにくい人材育成及びAI活用に向けた投資に消極的な企業が多い」と見ている。

AI活用を行なっている企業は2割以下となり、その要因のひとつには、「AI活用を推進できる人材の不足」があるようだ。データやデジタルの活用がより求められていく昨今において、AIをどのように活用していくか、検討してみてはいかがだろうか。

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