ディプロマット・ジャパン株式会社は2020年12月22日、「テレワークにおける機密書類・重要書類のセキュリティリスク及びその実態」に関する実態調査の結果を発表した。調査期間は2020年12月14日~15日、都内在住のテレワーク導入企業の経営者で、自社の社員が機密書類や重要書類を自宅に持ち帰っているとした100名から回答を得た。これにより、経営者が考える書類の管理方法や不安要素が明らかとなった。
テレワーク実施企業の経営者に「機密書類や重要書類の管理実態」を調査。約8割が「不安」と回答

7割を超える経営者が「重要文書の流出や紛失のリスク」を懸念

テレワークの普及で、普段は企業内で管理する書類を社外に持ち出す機会が増えた企業も多いだろう。経営者たちは「自社における書類管理」について、どう考えているのだろうか。

はじめに、「テレワークの実施により、社員の自宅での機密書類や重要書類の流出または紛失のリスクが高まったと感じているか」を尋ねると、「非常に感じる」が34%、「感じる」が42%と、7割を超える経営者が情報管理に懸念を感じていることがわかった。
テレワーク実施企業の経営者に「機密書類や重要書類の管理実態」を調査。約8割が「不安」と回答
また、「実際に機密書類や重要書類の扱いや管理に不安に感じた事例や場面」についても尋ねた。すると、「テレワーク中の管理状況を(経営者自身が)把握できていない」という声や、「(社員が)テレワークの様子を個人のSNSに投稿していたとき」、「(社員が)経理書類を鞄で持ち歩いていたとき」などの回答が寄せられた。テレワークでは、仕事に必要な書類を社外に持ち出すことは避けられないとはいえ、現状のワークスタイルにおける「流出や紛失のリスク」を、具体的に認識する経営者の様子がうかがえた。

有効なリスク回避の工夫は「管理方法の統一」が最多

最後に、「不安を感じている」と回答した経営者76名に、「社員の自宅での機密書類や重要書類の流出等のリスクを抑えるには、どのような工夫が有効か」を尋ねた。その結果、「自宅における書類の管理方法を統一する」が57.9%と最多に。以下、「社内で書類の管理について注意喚起する」と「書類を扱う人を限定する」が同率の44.7%で2位に続いた。

ほか、自由回答からは「機密書類を取り扱っている意識を教育する」、「全てをデータ化してクラウドで管理する」などの声が挙がった。
テレワーク実施企業の経営者に「機密書類や重要書類の管理実態」を調査。約8割が「不安」と回答
緊急事態宣言の再発令により、テレワークを再開した企業も多いだろう。企業にとって、社内全体での書類管理の徹底や、ペーパーレス化やクラウド対応などのセキュリティ面に配慮した整備は、今後の喫緊の課題となりそうだ。

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