株式会社月刊総務は2023年1月16日、「SDGsについての調査」の結果を発表した。調査期間は2022年12月12日~24日で、総務担当者116名より回答を得た。調査から、SDGsの取り組みを進めるにあたり、人事総務担当者が現場で感じている課題が明らかとなった。
SDGs推進企業の5割が「2030年の達成ゴール」を未設定。“社会貢献”と“事業発展”の結び付けが困難か

約7割がSDGsに「取り組んでいる」と回答

国連が定めた持続可能な17の開発目標(SDGs)を2030年までに達成するべく、世界での取り組みが本格化している。一方、2022年時点の「SDGs達成度ランキング」では、日本は163ヵ国中の19位となり、特に欧州各国に比べてやや遅れを取っている状況だ。では、実際に企業では、どのように取り組みが進められているのだろうか。

はじめに月間総務が、「勤務先はSDGsに取り組んでいるか」と尋ねると、約7割が「取り組んでいる」(69.8%)と回答した。具体的な「取り組み内容」を尋ねると、低排出係数への切替えや太陽光発電の導入など「CO2削減」や「LED化工事」、「フードバンクへ食料の提供」などの声が寄せられたという。
勤務先はSDGsに取り組んでいるか

総務が主体となって取り組む項目は「働きがいも経済成長も」が最多

次に同社は、SDGsを推進する企業を対象に「特に総務が主体となって取り組んでいる項目」を尋ねた。すると、17項目の中で「働きがいも経済成長も」(33.3%)が最も多く、以下、「すべての人に健康と福祉を」(30.9%)、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」(28.4%)と続いた。
特に総務が主体となって取り組んでいる項目

5割もの企業が、2030年の達成に向けたゴールを「定めていない」

続いて、SDGs推進企業を対象に「2030年に自社が達成すべきゴールを定めているか」を尋ねている。その結果、「定めている」は37%と3社に1社程度で、「定めていない」が51.9%と過半数になっていた。
2030年に自社が達成すべきゴールを定めているか

7割が「コーポレートサイトや採用ページ」でSDGs推進を発信

次に同社が、「勤務先がSDGsに取り組んでいる」とした人に「SDGsの取り組みについて情報開示をしているか」を尋ねたところ、「している」が72.8%と7割を超えた。

また、「SDGsの情報開示をしている」とした人に「具体的な情報開示の方法」を尋ねたところ、「コーポレートサイトへの掲載」や「採用サイトへの掲載」、「決済説明資料」、「中期経営計画説明資料」が上位だったという。
SDGsの取り組みについて情報開示をしているか

SDGs推進の一番の課題は「社内への浸透」の難しさ

続いて、自社でのSDGs推進状況に関わらず、全体に対し「SDGsに取り組む上での課題」を同社が尋ねた。すると、「取り組みを社内に浸透させるのが難しい」が56%と最も多く、「事業をSDGsと結びつけるのが難しい」が48.3%、「取り組みを社外にアピールするのが難しい」が32.8%と続いた。他方で、「今後も取り組む予定はない」は0%(回答者なし)と、調査時点では取り組んでいない企業でも、今後は取り組みを進める意向をもっていることがうかがえる。

課題に関する自由回答では、「コストと相容れない部分があり、上層部の理解を得にくいことがある」や「実務との兼ね合いが図れず、手段が見つからないまま曖昧に進んでいる」などの声があがったという。
SDGsに取り組む上での課題

自社の方針にかかわらず、総務の9割以上が「SDGs推進」に前向きな考え

最後に、同社が「総務として、SDGsをもっと推進したいと思うか」と尋ねた。その結果、「とても推進したい」が35.3%、「やや推進したい」が56.9%と、計92.2%がSDGsの推進に賛同し、積極的な考えを持っていることがわかった。

また、「推進したいと思う理由」を尋ねたところ、「会社の市場価値向上につながる」や「EMS活動と重なる点も多いため、従業員の理解促進のために取り組みたいと感じる」などの声が寄せられたという。
総務としてSDGsをもっと推進したいか
本調査から、回答企業の7割がSDGsに取り組んでいたものの、そのうち半数以上は「2030年までに自社で達成すべきゴール」を具体的に定められていないことが明らかとなった。人事総務に関わる回答者個人のほとんどが、社会課題であるSDGsの取り組みに前向きな考えを示した一方で、「社内への浸透」や「事業との結びつき」が課題になっているとの声も聞かれた。社会貢献が事業発展に良いシナジーを生むこともあるという観点で、社内への啓蒙活動を進めていきたい。

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