2020年中途採用の鍵は「越境採用力」。異業種・異職種への越境転職がスタンダード化

株式会社リクルートキャリアは、転職エージェントサービス「リクルートエージェント」における2009〜2018年度の転職決定者を分析。2020年1月23日、結果を「転職市場の動向データ」として発表した。

約7割が異業種転職を経験。業種の壁を超えた「越境転職」が一般的に

同業種間、同職種間での移動が一般的と考えられていた転職市場。しかし、リクルートキャリアによると、産業構造の変革といった背景によって、近年の中途採用市場には不可逆的な変化がみられるという。同社の2009〜2018年の転職者に対する分析結果によると、同業種内の転職は32.6%であったのに対し、異業種への転職は67.4%と、約7割にのぼることが判明した。

また、2009〜2013年の5年平均を「1」として、転職決定数の伸び率をみても、異業種転職は年々増加傾向であることがわかる。ここ10年で業種・職種の壁を越えた「越境転職」が中途採用市場においてスタンダード化しているようだ。

業種と職種、両方の壁を超えた「越境転職」経験者が最多に

実際、転職先の「業種」と「職種」は転職前と比較しどう変化しているのだろうか。2009〜2018年度転職決定者データをみると、「業種」と「職種」の組み合わせに変化があった。業種と職種の両方の壁を超えた「異業種×異職種」という組み合わせの転職が34%と最多となり、3人に1人が「越境転職」をしていることがわかった。次いで、前職と違う業種への転職である「異業種×同職種」が33.4%、同じ業種の中で職種を変えた「同業種×異職種」が10.3%という結果となっている。

転職者個人の越境転職増加にともなって、企業においても異なる業種や職種からの未経験者を採用する「越境採用」が一般的になってきているといえる。企業のデジタル・トランスフォーメーションの加速も背景となり、業種や職種の壁が融解しつつあるのだろう。

若手とシニア世代で「異業種×異職種」志向が高まる傾向に

年代別の転職動向分析データをみてみると、経験年数の短い20代で「異業種×異職種」の「越境転職」をしている傾向が強くみられた。業種や職種を超えて新たな成長機会を求める人が多いことがわかる。50代後半以降でも越境転職の割合が高くなっており、これまでの仕事から得た経験を生かしながら社会に貢献していきたいという志向がみえてくる。

一方で、30〜40代では「異業種×同職種」の越境転職を経験した人が目立った。現在の専門性をより深めるため、同じ職種でスキルの活用や向上を目指し、経験の幅を広げたいと考える傾向が強いと思われる結果だ。
終身成長を求めて新たな分野への転身をはかる転職者と、事業変革を担う異能人材の獲得を強化する企業との新たな出会いは、今後も加速していくのではないだろうか。そのうえで、企業にはこれまでの採用慣行を見直し、新たな採用戦略の構築に有効な「越境採用力」を向上させることが求められそうだ。

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HRプロ編集部

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