業績向上と人材育成を両立できる制度に

業績向上と人材育成を両立できる制度に

組織の中でしっかり機能する人事制度を構築

日々の業務を通じて生まれる、「人事制度がなかなか業績に結び付かない」「制度を改善したがうまく回らない」などの悩み。それらを解決できるのが、学校法人産業能率大学 総合研究所による「人事制度コンサルティング」だ。その特徴はコンサルタントがプランを丸抱えするのではなく、クライアントと一緒に創り上げていくスタイル。制度設計から実際の運用・活用まで、トータルに相談できる。

コンサルティング期間は要望や課題によって異なるが、人事制度に関する現状調査から個別精度の詳細設計および導入支援まで1年が目安。短い場合は3カ月、長くて3年という事例もあるそうだ。これまで従業員1000人前後の企業を中心に利用されてきたが、最近は「さらなる飛躍を遂げたい」という300~1000人規模の企業からもニーズが増えている。

チャレンジ精神あふれる活気のある職場を目指す

経営環境の変化と人事制度活用の視点

現在の日本では「成果主義」が主流となり、賃金を決めるための制度として機能している。しかし、「人事制度コンサルティング」では人事制度を賃金だけに結び付けず、社員一人ひとりが組織に貢献するための仕組みとしてとらえ運用していく。

以前、このような相談があったという。「個人の成果を高く評価する人事制度を採用したものの、職場や組織全体の成果には繋がっていかない」。そこでコンサルタントは、個人の業績評価だけでなく、職場の目標や組織への貢献度を評価に加えることを提案。企業理念を具体化した行動を、評価項目として盛り込み、それを1年間の業務の中で評価していく。

これにより、「目標は達成しなかったけれど、組織にとって非常に意味のある、今後に役立つ行動をした」という人をきちんと評価できる。組織への貢献度を見極めてチャレンジングな社員に報いる制度をつくれば、個人も成長し、組織全体の活性化も期待できるのだ。

こうした考え方には、企業を取り巻く大きな環境変化も関係している。労働人口の減少や雇用形態の多様化、市場のグローバル化などにより、これまでの「成果主義」では対応しきれなくなった。それと同時に、「個人の成果を追い求め過ぎてはいないか」「数値目標の達成が目標となり、プロセスが軽視されていないか」など、成果主義の問題点も浮かび上がってきたのである。

そこで「人事制度コンサルティング」では、短期的な成果だけを追い求めるのではなく、人材育成にも繋がる人事制度を構築していく。

プロセスをサポートして人事制度を上手に回せるように

産業界の人事制度構築の流れ

実際のコンサルティングは、『制度設計』と設計後の『運用・活用』という2つの側面がある。まず、『制度設計』はまったくのゼロベースからではなく、現状の人事制度の問題点を踏まえた見直しが中心となる。これは従来の制度との連続性や、より円滑な運用・活用を重視しているからだ。

制度の設計にあたっては、コンサルタントとクライアントとの綿密な話し合いを重視。特に、「何を目的とした人事制度をつくりたいのか」といった根本的な部分をしっかり摺り合わせることがポイントとなる。例えば「お客様への価値を創造しよう」という企業理念に対し、人事制度が「提案力」より「数字」を評価する設計になっていたら、社員からお客様にもたらす価値の提案などは生まれにくくなるだろう。そのため、コンサルタントは人事部門と時間をかけて話し合いながら、企業戦略や3~5年後のビジョンを共有。目標設定や評価の仕組みなど、細部の設計を一緒に考えていく。クライアントが納得・理解した時点で次へ進めるため、その後の運用もスムーズだ。

設計完了後は、いよいよ新制度の『運用・活用』が始まる。新制度の導入時には、コンサルタントが手引書などのPR資料を作成。特に社員数の多い企業では、これが制度定着の大きな助けとなる。社内への制度導入は人事部門が中心となって行うが、求めに応じてコンサルタントも運用プロセスへ積極的に関わり、制度がうまく機能するよう継続的にフォローしていく。人事部門との定期的なフォロー会合を開いたり、管理職の目標記述書や人事考課表の記述内容を添削したりと、細部まで寄り添ったコンサルティングを展開している。

さらに学校法人産業能率大学 総合研究所では、必要に応じて研修も実施。例えば、目標設定を行うための研修だ。期初に目標設定を行う企業は多いが、適切な目標設定にはさまざまなノウハウがある。部下への評価結果のフィードバックをストレスに感じる管理職は多いが、目標設定をしっかり行っておけば、フィードバックでもめるようなことは少なくなる。他にも、期末の人事評価に関するノウハウやコーチングスキルなどの研修も可能だ。 考課者研修では「こういう場合はこれくらいの評価」とみんなで確認し合えるため、評価の目線合わせができる。また、自分とは違う他の人の価値観に触れることで視野が広がり、部下に対して自信を持って評価結果と内容を説明できるようになる。

このように、制度の運用においてコンサルタントのきめ細やかなサポートがあれば、制度が組織にしっかり浸透していく。大切なのは、コンサルタントとクライアントが一緒になって創り上げていく中で、現場での運用・活用のノウハウをクライアントに残していくこと。これが、「人事制度コンサルティング」の強みだ。

人材アセスメントも活用して効果的な人材活用を

コンサルティングといっても、人事制度全体を見直すものだけではない。過去には、「評価制度の仕組みだけを変えたい」「マネジャーの間で評価レベルを統一したい」「業績目標の指標を一緒に考えてほしい」などの相談があった。基本的にコンサルティングの内容は、クライアントとの話し合いによって決定するセミオーダー式だ。

この他、昇進・昇格のタイミングに合わせた人材アセスメントの実施も可能である。人材アセスメントとは、各ポジションに求められる要素や適性を見るためのテストで、アセスメントの内容を適切に診断できるアセッサーも在籍。学校法人産業能率大学 総合研究所では多くの人材アセスメントツールを準備しており、クライアントの人事制度や目的から最適なツールを選べる。人事制度コンサルティングと組み合わせれば、より効果的なマネジメントが行えるだろう。

多角的なサポートが受けられるのは、「人事制度コンサルティング」の大きな特徴だ。