第4回 「変革期の新卒採用対策」〜「選んでもらえる企業」になるために〜第3章

人と組織のベクトルを合わせよう

第3章では、ミスマッチ採用を防ぐための採用選考と、応募者について事前に把握しておくべきことについて考えたいと思います。
 具体的に「ミスマッチ採用」とはどういう状態のことをいうのでしょうか。本章では、就業後短期間で休業・退職に至る状態を「ミスマッチ採用」と考え、選考する際に考慮すべき点について述べていきます。

第3章 ミスマッチ採用が起こる原因

1.仕事と「性格・価値観」とのミスマッチ
 厚生労働省の平成25年若年者雇用実態調査をみると、過去2年間に自己都合により退職した若年労働者(15〜34歳)がいた事業所は29.5%であり、退職理由として挙げられるトップ3は、「労働条件・休日・休暇の条件が良くなかった」(22.2%)、「人間関係がよくなかった」(19.6%)、「仕事が自分に合わない」(18.8%)となっています。(図1)
若年労働者の早期退職を防ぐためには、個々の「価値観」や「性格」と、仕事とをマッチングさせる必要があります。
 具体的には、仕事の成果をあげるために直接作用するのは、「行動」や「能力」ですが、その前提となっているのは、「性格(情緒性・責任性)」や、「価値観(目標意識・競争心)」などであり、応募者についても「性格」「価値観」が、仕事とマッチングしているかを見ることが重要です。(図2)
また、自社の組織風土と本人の性格・価値観とが合っているかを確認することも重要です。例えばベンチャー企業と行政組織とでは活躍できる人材のタイプは違っており、応募者が自社の組織文化にマッチングするか見極める必要もあります。(図3)
2.メンタル不調による休業・退職
厚生労働省「労働安全衛生調査」(平成25年)、「労働者健康状況調査」(平成24年)によると、平成25年度に事業所全体でメンタル不調により休業・退職した事業者は10.0%で、前年より1.9%増加しています。また、復帰する割合は51.1%で、前年よりも▲3.9%減少しています。(図4)
では、こういったメンタルヘルス不調者を見抜くにはどのようにすればよいのでしょうか。メンタルヘルス不調は、応募者の「責任性」や「情緒安定性」などの性格に深く関わっています。
 従って、仕事と「性格・価値観」とのミスマッチを防ぎ、安定して業務の成果をあげる人材を確保するためには、ベースとなる応募者の「性格」「価値観」を、見極めることが不可欠になります。

 第4章では、具体的に応募者の「性格・価値観」を捉える手法について述べたいと思います。
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著者プロフィール

株式会社ベクトル 代表取締役社長 卜部 憲

1956年、大阪府生まれ。大阪市立大学卒業後、株式会社ダイエーに入社、本社人事畑を歩む。2001年人事本部副本部長就任後、2003年に同社を退社。この間、日経連一般職賃金制度部会委員、同・社会保障制度部会委員を歴任。2003年組織人事コンサルティング・ファーム ベクトルを設立し代表取締役に就任、現在に至る。著書に『稼ぎすぎて困る・熱血リーダー量産化計画』、共著に『これからの一般職賃金』がある。

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