前回のコラムで石川県と共同で行っているインターンシップ普及の取り組みについてご紹介させていただきました。今回はその続きです。
現在、石川県と共同で取り組んでいるインターンシップ普及のためのもう一つの仕掛けがインターンシップフェアの開催です。次年度以降就職活動の時期がどうなるかによって変わる可能性があるのですが、来年は5月中下旬に開催を計画しております。
 内容としては石川県でインターンシップを開催する企業を一堂に集めて、個別ブース形式で学生が興味のある企業ブースに訪れて話を聞くという、合同企業説明会のような運営を想定しております。
 インターンシップについて学生は何のために?どんなインターンシップを受けるべきか?という部分についての認識のばらつきにかなり幅があるように感じており、であるなら直接募集している企業の話を聞く場を設けたほうが良いのではという発想から企画しております。
 これは今後継続開催し、規模を拡大し、石川県出身、もしくは石川県の大学に在学する学生は参加するのが当たり前!というイベントに育てたいと考えております

 ではなぜこんなイベントが必要と考えたのか?
 インターンシップに現在参加している学生は自主的に行動できる層の学生が中心ではないかと思っています。こうした学生はあまりこちらからあれこれと細かいことを言わなくても興味があるものに素直に反応して積極的に行動できる人材です。
 こうした学生は前にも書きましたが2:6:2の法則で考えると上位の「2」にあたる学生です。大学の就職支援の立場から言うと支援しなくても自分たちで活動して結果を出せる層です。
 この上位2割の学生は自ら行動できる習慣づけができているので我々が何かをしなくても大丈夫です。問題はそれ以下の層にあると感じていますし、今回このフェアを拡大して大規模なイベントに育てたいのもこの層(上位2割以外の層)の学生に対する有効な打ち手として位置付けているからです。
 何かのきっかけで化ける学生は多い。
 「化ける」というのは以前にもこのコラムで書きましたが、チャレンジできない学生がチャレンジを恐れなくなるというように行動が変わる状態のことだと考えています。
 これは私自身が大学で学生と関わる経験の中で確信していることですが、何かのきっかけ、たとえば今まで経験したことの何かに取り組みたまたまうまくいく、とか、あるいはダメもとでやるだけやってみようと取り組んだことがうまくいったとかそういう経験であることが多いように思います。簡単に言えば成功体験ですよね。今の学生を見ていると、やればできる、チャレンジすればした分だけ自分自身が成長できるだけの潜在能力を持っているにも関わらず、なかなかチャレンジへの最初の一歩を踏み出せない学生がとても多いように感じております。社会に出てから化ける機会はありますし、実際に化けて大きく成長している人も多いとは思うのですが、就活の時期までにそうした経験があるかないかで就活時の評価が二極化してしまっているという現状があります。そして化けた学生=上位2割の学生の奪い合いになっているというのが新卒採用の現状だと思います。しかしきっかけさえあれば、もっと多くの学生が化けられるはずですし、インターンシップはきっかけには十分なりえるはずだと考えています。インターンシップを通して化けた学生が増えれば採用対象の学生数の底上げにもなり、インターンシップにご協力いただいた地元企業とのご縁の場も増えるのでは??という期待感も持てると思っています。
 みな、参加するのだから参加するのが当たり前!インターンシップフェアをそうしたイベントに育て、チャレンジを恐れる学生の参加を促し、化けるきっかけの場を増やしていければと考えております。
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