インターンシップの目的についてはいろいろ議論が分かれるところだと思います。
 アクティブラーニングとしてのインターンシップの側面、採用選考ツールとしてのインターンシップ。広報開始前の企業PRの場としてのインターンシップ。実際にもさまざまな目的で行われているものがすべてインターンシップとして扱われています。そして目的を議論する際もこれらの定義づけがあいまいな状態で目的を議論することが多いように感じています。今回のプロジェクトのスタートにあたって関係者でこの点について議論を重ねましたが今回の我々の取り組みにおけるインターンシップの目的は下記のように設定しております。
インターンシップの目的は就業感を養うこと。そして就業感とは以下の要素であるのではと定義づけております。
 ①学生はインターンシップに参加することによって、インターンシップ先の会社と仕事を知る
 ②参加先の企業の仕事にはどのような能力が求められ、どんなやりがいを感じられるのかを理解する
 ③あわせて自分の強みや仕事選びに対する価値観(どんな仕事にやりがいを感じるか)に対する気づきを与える

 今の学生の就活を見ていると、恋愛経験の少ない人が婚活をやっているのに似ていると思います。年収や学歴、外見などのその人の外側についてまわる部分のみで相手を選んでしまうような印象です。それはそれで、とても大事な要素だと思うのですが、長く一緒に過ごす際には、相性や価値観があっていることも大事ですし、さらに付け加えていうと自分の好みのタイプであることも重要ですよね。

 インターンシップはそういう意味では合コンみたいなものかなぁと思っています。
 採用直結型のインターンシップはそういう意味では婚活パーティーみたいな位置づけになるのでしょうか?
 我々が現在、地域で取り組んでいるインターンシップは何かというとこれは村祭りみたいなものでしょうか?(笑)地域の中小企業が集まって皆でインターンシップをやってインターンシップをイベントとして盛り上げよう!というような発想です。

 今の学生は本当に企業のことを知りません。そして狭い視野のまま、就職活動に入っていくと地元志向の学生の応募する企業は10社くらいにほとんど集約されてしまいます。就職時にもっと視野を広げて活動するようにということは就職ガイダンスなどで再三、伝えているのですが結局のところ、就活を始める前に認知していた企業のみに集約されてしまうようです。

 学生に就活を過度に意識させてインターンシップの参加を促すと、同様な状況になってしまいます。知っている会社や有名な会社にインターンシップの応募が集中してしまうのです。そしてその会社のインターンシップが受けられないとほかの会社には見向きもしないという学生が多いようです。そうするとせっかく学生のためにインターンシップをやってくれる中小企業には学生が応募しないという状況になってしまいます。そうすると募集しても応募者が来ないのならやってもしょうがない!ということで、受け入れ先の企業を増やすことが難しくなってしまいます。今年2016年向けの学生向けのインターンシップを行った会社が増えた結果、これまでも良質のプログラムを提供して学生を受け入れていただいた中小企業に学生の応募がなかったという状況が増えてきております。この状況が拡大すると、結局のところ今の新卒採用の環境と変わらないような状況が生まれかねません。

 そこで我々はこの課題に対して今回の取り組みの中で二つの対策を考えています。
 この辺りについては次回詳しく述べさせていただきたいと思います。
  • 1

この記事にリアクションをお願いします!