マネジャーの皆様からの相談で多いものの一つに、「年上の部下にうまく接することができていない」というものがあります。
年功序列が崩れた今、年上の部下がいるというのはもはや「当たり前」ともいえる世の中ですが、まだまだ苦手意識をお持ちの人が多いのが実態なのです。
年上の部下に苦手意識を持っているマネジャーに、その理由を聞いてみると
「素直に話を聞いてくれない」
「こちらの指示に、何かとケチをつけてくる」
「ミーティングで、反抗的な態度を取られる」等々。
皆さん憂鬱そうな顔で、時にはため息をつきながら現場の実態をお話ししてくれます。

ただ、そのように年上の部下で悩んでいるマネジャーには一つ共通点があるようです。
それは、「自分はマネジャーなのだから、部下より上の立場である」という感覚が比較的強く、かなり気負っているということです。
そのため、年上の部下がいると、最初から「この人は私より年上だ・・・」と必要以上に意識している様子がうかがえます。
そのため、無意識に警戒した態度を取ったり、少し威圧的に接してしまっているのではないかと思われます。

もちろん、部下も人間ですから、自分より年下の人から「私のほうが上の立場。あなたは下の立場」という空気を感じ取ると、反抗したくもなりますね。
そもそも、上司・部下というのは「役割」であり、立場が上・下というわけではありません。
マネジャーはチームのマネジメントをすることを役割とし、メンバーはチームの一員として成果を出すことを役割としているのです。

そのようなことは当然頭では分かっているのですが、「そうはいっても、なかなか難しい・・・」という人は、まず次の「当たり前」な行動を改めて徹底してください。

①年上の部下には、必ず丁寧な言葉を崩さない
年上の部下は、人生の先輩です。当然ですが、仕事中は敬語で接することが必要です。
また指示を出す際も、「恐れ入りますが、~をお願いします」等、丁寧な言葉遣いを心がけます。
人生の先輩として尊重してくれていることを感じ取ると、素直に指示を受け入れてくれることが多いようです。

②配慮はしても、遠慮はしない
部下が年上だからといって、必要以上に遠慮したり、言うべき指摘事項を言わなかったりすると、「私のことを避けているのでは?」と誤解を与えます。
言い方は丁寧にするものの、言うべきことはハッキリ言わなくてはなりません。
遠慮してビクビクしていると、頼りない上司とみられ、反発したくなるものです。

③自分の方から近づき、相談する
年上の部下が苦手はマネジャーは、必要以上の会話を交わそうとしない傾向もあります。
そのため、心の距離がますますできてしまっています。
年上の部下にはマネジャーの方から近づき、声をかけることが必須です。
特に、積極的に相談することがますます距離を縮めます。
「〇〇さん、ちょっと教えてほしいことがあるんですが」と経験ある部下をどんどん利用してみてはいかがでしょうか。

④他の部下の前で、年上の部下の陰口をたたかない
苦手意識を持っていると、どうしても年上の部下の陰口をたたく人が多いようです。
しかし、他の部下の前で陰口をたたいた場合、それは確実に本人に伝わると思ってください。
プライドを傷つけられた年上の部下は、あなたの指示を一切聞かなくなるでしょう。

このような「当たり前」を本当に意識できている人は多くはありません。
小手先のテクニックはありません。毎日毎日誠実に接することが必要です。
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