世界へ行きたいのか、世界で何かしたいのか

変化の時代に求められるリーダーとは
もうひとつの切り口からのアプローチ、「Communica Rader Chart 6」についてもご紹介したい。これは、私がビジネスのドメイン(座標)として「ビジネスモデル」、「オーガニゼーション」、「コミュニケーション」、「To-Beモデル」、「ビジネススタイル」、「ケイパビリティ」という6つを設定し、そのドメインごとに必要なリーダーの能力として、私が開発した108の覚悟を分類しているものだ。
 まず、日本が行き詰まっている、何か新しいことをやろうというときは、ビジネスモデルを考えなければならない。ビジネスはネットでやるのか、リアルの世界でやるのか、新しい勝負は製品でやるのか、サービスでやるのか。日本で生きるのか、世界にも出て行くのか。そうしたことを考えるのがリーダーの使命だ。そして、リーダーは一人では何もできないからチームが必要になる。オーガニゼーションをつくっていくために大事なことはコミュニケーションだ。コミュニケーションの力が、人をやる気にさせ、本気にさせ、若い人を育てる気にさせる。ではそういう魅力的な個人をどうやってつくるか。会社から言われたことをやっているだけで、どうなりたいのかもわかっていないリーダーには誰もついていきたくない。
オーガニゼーションをつくっていくために大事なことはコミュニケーションだ。コミュニケーションの力が、人をやる気にさせ、本気にさせ、若い人を育てる気にさせる。ではそういう魅力的な個人をどうやってつくるか。会社から言われたことをやっているだけで、どうなりたいのかもわかっていないリーダーには誰もついていきたくない。
「ビジネスモデル」のドメインで必要な覚悟のひとつを次に挙げよう。「最初からグローバルを見すえる 危機ではなく大きなチャンスだ」。世界へ行きたいのか、世界で何かしたいのか、世界と何かしたいのか、自分たちの「グローバル」の定義をよく考える必要がある。加えて、たとえばベトナムの人口が2030年には日本を抜くであろうことや平均年齢が20歳代だということなど、日本人の多くは知らないのではないか。他国をもっと意識することが大切だ。

普通のアイデアの積み重ねで世の中は変わる

変化の時代に求められるリーダーとは
また、世の中を変えるのは、ノーベル賞を取るような人たちばかりではない。「世の中を変えるアイデア ロケットサイエンスではなく」。これは「ビジネスモデル」のドメインで必要な覚悟だ。ごく普通のアイデアの積み重ねで、世の中は大きく変わっていく。私が移籍した頃、株価10ドル前後と低迷していたアップルはiPhoneを送り出して世の中を変え、復活を遂げた。その第一歩は、「自分の好きな曲を1000曲持って外に出たい」ということから2001年に送り出した携帯型音楽プレイヤー、iPodだ。これが売れ始めて、世界中のユーザーの「こうして欲しい」という要望に応え、液晶画面を付けて静止画が見られる、動画も見られる、ゲームもできる、画面も大型化するというように少しずつ進化した。そして、「音楽を聴いたり映画を観たりしている途中に携帯電話が使えたらいい」というアイデアから、2007年にiPhoneが誕生した。自分たちの日常をもっとよくしたいという、それだけでアップルは世の中を変えた。こうした発想を持って欲しい。
 最後にお伝えしたいのは、「ビジネススタイル」のドメインで必要な「人生をデザインする新しい価値観の創出」という覚悟だ。新しい時代の価値観を定義して、世の中を変えていく。そのために、スティーブ・ジョブズはThink differentというメッセージを発信した。このメッセージはかつてアップルのCMにも使われた。ガンジーでもジョン・レノンでも、世の中を変えていく人たちは、みんな最初は世間から変わり者だと言われる。だが、世間はその人たちを無視できない。その人たちは物事を変えたからだ。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変える。こういう内容のCMだった。皆さんの会社も、少し考え方を変えるだけで変わる。問題は、そういう考え方ができるリーダーをどうやって育てていくかだ。
 日本の企業がもう一度元気になって復活していけるよう、これからも人事の皆さんと一緒になって、様々なサポートをしていきたいと思っている。
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