多様な人材を組織内部に持つことで、時代の変化に対応したい

富士ゼロックスの設立は1962年。昨年で50週年を迎えた。ゼロックスグループ内においてはアジアパシフィック地区を担当し、世界戦略の一翼を担っている。ちなみに、ヨーロッパとアフリカは英国のゼロックス・リミテッド、北米、南米については米国のゼロックス・コーポレーションが販売権を持っている。
富士ゼロックスは創業以来、「より良いコミュニケーションを通じてお客様や社会の理解を促進する」ことを基本的な理念としている。「紙の情報を複写する」という創業時のビジネスからの進化を図り、お客様がより効果的、効率的に価値創造するためのコミュニケーションのすべてを支援することを目指し、経営課題の解決や業務プロセスの改善に貢献する「ソリューション&サービス」の提供を推進している。
富士ゼロックスにおける多様化する人材の採用活動の取組み
富士ゼロックスというとコピー機、複合機の会社というイメージが強いと思う。しかし、情報技術、ICTの技術を駆使したソリューション&サービスを成長領域と考えており、こうした事業収益、ならびに海外での売上を、50%に引き上げることを目指している。
ご存知のように、情報技術、ICTの技術に関係するビジネスは、きわめて変化が激しい。変化するビジネス環境やお客様のニーズ、市場の多様化に対応るためには、人材の多様化は必要であると考えている。考え方、価値観、ライフスタイル、指向性の違いなど、多様な人材を組織内部に持つことは、変化に対応していくために重要である。富士ゼロックスでは、性別、国籍、障がいを問わず、能力を発揮できる会社を目指し、多様性を尊重する考えで人材の採用、女性の登用について積極的に推進している。

男女比率、外国人比率、文系・理系…多様な観点での採用を実施

富士ゼロックスにおける多様化する人材の採用活動の取組み
人材多様化に向けた、具体的な取り組みや現状についてお話ししたい。
富士ゼロックスでは採用において、男女比率、外国人比率、文系・理系、 国立・私立大学、首都圏・その他地域のバランス、障がい者採用といったポイントを考慮し、人材の多様化を進めている。
男女比率については、 現状では男性比率が高いため、応募の少ない女性を対象に「女性限定イベント」を実施している。
外国籍の方に関しては「留学生限定イベント」「海外大学からのインターンシップ受け入れ」を実施。海外大学からのインターンシップは、VFP(Visiting Fellow Program)を活用し、中国大学から毎年10名ほど技術系の学生を呼び、約1年間のインターンシップを行っている。一緒に研究開発を行い、お互い納得に基づき富士ゼロックスで働いて頂いている。インターンシップといえども、給与も支払い、住居の手配、通常の社員と同様の福利厚生、帰省の航空運賃まですべて負担している。この中から毎年2~3名が入社している。また、 2013年度よりインターンシップの対象国をインド(3名)とシンガポール(1名)に拡大。IT技術の強い国からの人材獲得を目指している。
日本人向けインターンシップにも力を入れているが、その理由は、通常の選考だけでは優秀な人材の見極めが厳しいことにある。なるべく長時間学生個人と接し理解を深めることが、採用の質を上げるのに重要と考え、8月より11月までの間にサマー・インターンシップ、仕事体験会、技術系インターンシップなど数多の機会を設けている。インターンシップを通じて多様な価値観や考え方、いろんな履歴を持った学生を見極めている。

キャリア採用では、社内に存在しないタイプの人材を優先

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