■主旨と内容

 日々の通勤で自転車を使う人が増えています。環境に優しく健康にも良いということで多くの利点がありそうです。ある準大手の建設会社が環境対応策の一環で自転車通勤制度を導入したことがメディアで取り上げられたり,大震災時の交通事情なども影響して,注目度が高まっています。実際,大震災のときは,自転車通勤者は無事に帰宅でき,社員寮の被災状況を会社に報告したり,同僚らの安否を家族に伝えたりと自転車ならではの強みが報告されています。
環境に優しく,健康に良く,非常災害時にも強いとなれば,推進あるのみといいたいところですが,反面,様々な課題も顕在化してきました。

 自転車通勤は,電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合に比べて,大きな責任とリスクが伴います。具体的には,交通法規や車両に関するルールを守る責任,そして交通事故を起こしたり巻き込まれたりするリスクです。駐輪場が確保できなければ不法駐輪を助長することにもなります。また,諸条件は天候にも左右されます。そうした観点を含め,会社としては様々な制約をクリアしたうえで,自転車通勤を認めるか否かを決める必要があります。

 環境に優しく,健康に良く,非常災害時にも強いとなれば,推進あるのみといいたいところですが,反面,様々な課題も顕在化してきました。

 自転車通勤は,電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合に比べて,大きな責任とリスクが伴います。具体的には,交通法規や車両に関するルールを守る責任,そして交通事故を起こしたり巻き込まれたりするリスクです。駐輪場が確保できなければ不法駐輪を助長することにもなります。また,諸条件は天候にも左右されます。そうした観点を含め,会社としては様々な制約をクリアしたうえで,自転車通勤を認めるか否かを決める必要があります。

 自転車通勤は時間配分やルートの自由裁量度が高く「仕事の効率が上がった」「誰にも邪魔されずに考える時間ができ,アイデアが浮かびやすい」といった声も挙がっています。これらの効果が出せる条件を整えたいものです。

■検討内容

第26回 自転車通勤規定
まずは自転車通勤を認めるかどうかを決定します。公共交通機関の利用に比べ,自転車通勤には事故のリスクが高く,駐輪場の確保まで考えると,「自転車通勤を禁止する」という選択肢もありえます。つまり公共交通機関の利用を前提に交通費を支給し,かつ駐輪場が会社にない場合などです。社員の違法駐輪が地域の問題になったりすると会社がコンプライアンスを問われる可能性もあります。また,自転車で交通事故を起こしてトラブルになったりすれば企業イメージにも悪影響が及びます。あるいは通勤距離が極端に長い場合(15km超≒1h超)は疲労や注意力散漫につながります。

 自転車通勤を認める場合も,許可制か届出制かという問題があります。これまでの事情を勘案すると許可制とするほうがよいでしょう。許可制の場合は,保険加入や駐輪場の確保状況をチェックできるからです。さらには,許可した場合の遵守事項の定めも必要です。天候等の事情で公共交通機関の利用もありうるので,通勤手当の支給方法も検討する必要があるでしょう。

□目的
 自転車通勤にあたっての安全やトラブル回避等など,規定の目的を記します。

□許可
 自転車通勤を行う際の許可申請事項を記載するとともに,有効期間などを規定して随時状況に対応できる制度とします。申請内容の変更が生じた場合は,再度届け出ることも明記します。

□禁止事項
 自転車で通勤する場合の禁止事項や注意事項を規定化します。飲酒運転は当然ながら,その他道交法に関することも強調します。しばしば問題になる自転車のタイプにも制限が必要です。「前輪後輪ともに制動機(ブレーキ)がついたものに限る」とか,「アシスト付き自転車は可とするが,ぺダル付き電動自転車は不可」といった内容を記載します。

□求償権等
 万一,社員が自転車による事故を起こした際の対応や損害についての取り決めを記します。

□許可の取り消し
 自転車通勤の許可を取り消す場合の事案を整理します。

□報告の義務
 自転車通勤によってトラブルや事故などが発生した場合に会社に届け出る義務を課します。

□民間保険の加入
 一定以上の民間保険に加入することを条件として明記します。

□使用承認基準
 通勤距離の定めや承認の期間や更新のタイミング,手続き方法など承認基準を規定化します。

□通勤手当
 自転車通勤者の通勤手当の取り決めを規定化します。自転車通勤者には通勤手当を支給しないとする方法もありますが,任意保険の加入コストや悪天候時に利用する公共交通機関の交通費も発生しますので,支給基準について定めておきます。自転車通勤者への通勤手当には,2 通りの方法が考えられます(①公共機関を利用した分だけ実費精算する,②一定の金額を毎月支払う)。ただ実費精算は手間がかかりますし,一律支給では時間外の割増賃金算定の基礎に含まれる可能性があります。ここは,距離に応じて支給額に差をつけるのが良策です。通勤手当は一定限度額までは非課税となり,その限度額は,①自転車のみの使用での通勤の場合と,②他の公共交通機関と併用する場合とで異なります。これについては,次のような基準が参考になります。
①自転車のみの利用の場合(図表)
②自転車と電車等利用の場合
 電車等の1ヵ月の通勤定期券額と上記①の合計金額(上限は10万円)

□駐輪場確保
 駐輪スペースが会社にある場合は所定の位置に駐輪するという条件とします。スペースがない場合は各自の責任で駐輪場を確保するよう条件を定めます。

自転車通勤規定

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