タレントマネジメントは体系的、継続的な運用が重要

このように求めるリーダー像を定義すれば、現在、リーダー候補が各要素に対してどこまで到達できているかをアセスメントなどで測定し、焦点を絞った能力開発を行うことが可能になる。では、具体的にどのような仕組みを構築して、リーダーシップパイプラインを継続的に充実させていくか。藤原氏が一例として紹介したのが、DDI社の提唱する「タレントマネジメントモデル」だ。このモデルの特徴は、まず経営戦略からビジネスドライバー(=自社のビジネスの成功要因)を定義し、これに沿って将来不足する人的能力などを予測すること。そして、サクセスプロフィールをコアとして「次世代人材の選定→準備度の診断→育成の加速→業績の推進」という「人材力拡大エンジン」のサイクルを回していく。

 このサイクルを効果的に回し、リーダーシップパイプラインを充実させていくためのポイントについて、藤原氏は次のように述べた。「ひとつは、人事施策をバラバラに打つのではなく、リーダー育成に関するプロセスを体系的、一貫的に運用していくことだ。また、タレントマネジメントモデルは継続性を確保することが大切だ。特に、当社の経験では、トップのコミットメントの有無が成功を大きく左右する要因になる。期待する成果が生み出されているか定期的に測定することも、継続性を高めるうえで欠かせない」。

ASTD提唱のリーダーシップ開発手法「LEADSモデ...

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