「就活会議」(就活会議株式会社)とHR総研は2022卒学生を対象とする「インターンシップと就職活動への意識調査」を10月14日~30日にかけて実施した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業の採用活動が変わる中、2022年卒学生の就職活動もやはり大きく変化することが見込まれる。2022年卒の学生が就職活動に対してどのような意識を持ち、どのような不安を抱えているのか、また、現時点でどのように取り組んでいるのかを明らかにする。今回は特に、就職活動の一環として一般化しているインターンシップについて重点を置いて調査を実施した。フリーコメントを含めて、調査結果を以下に報告する。

<概要>
●9割以上の学生がすでにインターンシップに参加
●望ましいインターンシップのタイプは「2~3日程度」が文理ともに最多
●インターンシップの情報源は「就職ナビ」が最多で7割
●インターンシップの内容は「オンラインでの会社説明、業界・事業紹介」が最多で9割
●インターンシップに参加する目的は「選考を有利に進めるため」が文理ともに最多
●就職活動について「不安である」が7割
●選考形態、「すべて対面」「すべてオンライン」を希望する学生はともに2割未満
●就職ナビへの登録は9割以上がすでに実施

9割以上の学生がすでにインターンシップに参加

まず、2022年卒学生が参加したインターンシップの社数と、その開催形態について見ていこう。
「参加したインターンシップの社数」については「4~6社」が最多で30%、次いで「10社以上」が18%、「3社」及び「7~9社」がともに14%などとなっている。「0社」は8%にとどまり、9割以上の学生がインターンシップに参加していることが分かる。昨年と比較すると、4社以上のインターンシップに参加した学生の割合が11ポイント増加しており、「10社以上」が18%(昨年13%)と2割近くを占めるなど、参加社数は増加傾向にある(図表1-1)。
次に、「参加したインターンシップのうち対面型で実施された社数」については、「0社」が最多で37%、次いで「1社」が32%、「2社」が15%などとなっている。インターンシップに参加した学生のうち4割近くが対面形式のインターンシップを経験していないことが分かる(図表1-2)。
「参加したインターンシップのうちオンライン形式で実施された社数」については「4~6社」が最多で32%、次いで「1社」が15%、「7~9社」が14%などとなっている。やはり今年は、新型コロナ感染拡大対策として、インターンシップをオンラインで実施した企業が多いようだ(図表1-3)。
インターンシップもオンラインで実施するケースが増えたことで、日程調整をしやすくなったことも、一人当たりの参加社数が増えた主な要因の1つと言えるだろう。

【図表1-1】参加したインターンシップの社数

HR総研×就活会議:2022年卒学生のインターンシップと就職活動への意識調査 結果報告

【図表1-2】参加したインターンシップのうち対面型で実施された社数

HR総研×就活会議:2022年卒学生のインターンシップと就職活動への意識調査 結果報告

【図表1-3】参加したインターンシップのうちオンライン形式で実施された社数

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望ましいインターンシップのタイプは「2~3日程度」が文理ともに最多

次に、「インターンシップに参加した時期」については、文系・理系ともに「2020年9月」が最多で文系80%、理系86%となっている。次いで「2020年8月」が文系75%、理系73%であり、「2020年10月」が文系68%、理系39%などとなっている。やはり、夏季休暇を利用してインターンシップに参加する学生が多いため、8月~9月に集中していることが分かる(図表2-1)。ただし、昨年の調査では「2020年8月」が文理ともにピークであり、2021年卒採用が遅れた分、ややピークが遅れているようだ。
「今後参加予定のインターンシップの時期」については、文系では、「2020年11月」が文系・理系ともに最多であり、文系72%、理系61%となっている(図表2-2)。9月までは理系の参加率は文系と同等以上であったのに対し、10月以降は文系の方が多くなっており、理系の方がより早い時期にインターンシップに参加する傾向があることが分かる。
次に、「参加したインターンシップのタイプ」については、「1日」が文系・理系ともに最多であり、文系76%、理系71%となっている。次いで「半日」が文系67%、理系57%であり、「2~3日程度」が文系62%、理系50%などとなっている(図表2-3)。なお、「1日」や「半日」などの1日以内で完結する就業体験については、今年からインターンシップではなく「1day仕事体験」などと表現されることとなっている。
「最も望ましいインターンシップのタイプ」については文系・理系ともに「2~3日タイプ」が圧倒的に多く、文系60%、理系51%となっている。次いで「半日・1日タイプ」が文系27%、理系24%であり、「1週間程度のタイプ」が文系11%、理系22%などとなっている。文理で比較すると、「1週間程度のタイプ」が理系の方が11ポイント高くなっており、理系の方が実践型のより長期のインターンシップを希望する傾向にあるようだ(図表2-4)。
また、望ましいと思うインターンシップのタイプとして選んだ理由について、フリーコメントによる回答の一部を抜粋して紹介する(図表2-5)。

【図表2-1】インターンシップに参加した時期

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【図表2-2】今後参加予定のインターンシップの時期

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【図表2-3】参加したインターンシップのタイプ

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【図表2-4】最も望ましいインターンシップのタイプ

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【図表2-5】望ましいインターンシップのタイプとその理由(一部抜粋)

望ましいインターンシップのタイプ理由文理
半日・1日タイプたくさんの企業のインターンシップに参加できるから文系
半日・1日タイプ気軽に参加でき、多くの企業のことを知れるから文系
半日・1日タイプ普段の学校もあるので、あまり休むことができないので文系
2~3日タイプオンラインであることを想定すると、集中力とモチベーションを保つ限界はこれぐらいだと感じるから文系
2~3日タイプ2日以上あるとグループワークの内容も濃くなり、業務内容を詳しく知ることができるから文系
2~3日タイプ1日では企業説明で終わってしまうことが多く、二日以上かけて業務体験やフィードバックを体験したいから文系
2~3日タイプ1日だと身になるか不安だが、お金が無いので長い期間の滞在は難しい文系
1週間程度タイプ 会社の雰囲気を知るには、1日や2、3日では短すぎる。また、1日では職業体験というよりも説明会に近くなってしまう文系
1週間程度タイプ実際の業務を体験し、入社後のスケジュール感等も知れるため文系
1週間程度タイプ就業体験が目的なら、1週間は必要だと感じたから文系
半日・1日タイプ長く研究を止めたくない理系
半日・1日タイプ卒業研究の活動を進めなければいけないため理系
2~3日タイプ研究室とのスケジュールの兼ね合いで、1週間以上は参加が難しいから。また、1日だけでは企業の情報はあまり掴めないため理系
2~3日タイプ1週間以上あっても、あまりオンラインで得られるものがないから理系
1週間程度タイプ1日や半日だと時間の半分を企業説明等に充てられてしまい勿体無く感じる。もっと実践的な内容(グループワークや即時設計など)に触れたいと思うから理系
1週間程度タイプ実際に働くイメージがわく理系

インターンシップの情報源は「就職ナビ」が最多で7割

次に、「インターンシップの情報源」については、「就職ナビ」が最多で74%、次いで「企業の採用ホームページ」が43%、「インターンシップ専門サイト」が29%などとなっている(図表3)。昨年と同様「就職ナビ」が圧倒的に多かったが、「企業の採用ホームページ」も昨年比で6ポイント増加しており、ある程度参加したいインターンシップの候補を事前に絞り込んでいる学生も増えているようだ。

【図表3】インターンシップの情報源

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インターンシップの内容は「オンラインでの会社説明、業界・事業紹介」が最多で9割

次に、「参加したインターンシップの実施形態・実施内容」については、「オンラインでの会社説明、業界・事業紹介」が最多で93%、次いで「オンラインでのケースワーク・グループワーク」が83%、「オンラインでの社員との交流」が76%などとなっている。実施内容としては、実務体験よりも説明や交流を通して会社の雰囲気を知ってもらうことを目的にしたものが多いようだ。また、実施形態としては、やはり対面型よりもオンラインの方が圧倒的に多くなっていることが分かる(図表4)。
オンラインで1dayタイプのインターンシップ(1day仕事体験)に参加している学生が多いことから、内容は必然的に会社説明やグループワーク、座談会等の短時間で簡単に実施できるものになるのだろう。

【図表4】参加したインターンシップの実施形態・実施内容

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インターンシップに参加する目的は「選考を有利に進めるため」が文理ともに最多

次に、「インターンシップに参加する目的」については、文系では「志望企業の選考を有利に進めるため」が最多で27%、次いで「志望企業との相性を見極めるため」が24%、「自身に向いている仕事・業界を見極めるため」が24%などとなっている。理系では、「志望企業の選考を有利に進めるため」が最多で33%、次いで「志望企業についての情報収集」が29%、「志望企業との相性を見極めるため」が25%などとなっている。理系では「自身に向いている仕事・業界を見極めるため」は6%と文系よりも18ポイントも低くなっている。これは、文系の学生よりも理系の学生の方が、自身の専門分野を活かすことに対するこだわりが強く、業界や仕事については、既に絞り込んでいるケースが多いためと考えられる(図表5)。

【図表5】インターンシップに参加する目的

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:HR総研×就活会議:2022年卒学生のインターンシップと就職活動への意識調査 結果報告
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2020年10月14日~30日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2022年卒業予定の「就活会議」会員学生
有効回答:134件

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