「オワハラ」とは、「就活終われハラスメント」の略で、企業が新卒採用において、内々定を出した学生に、以降の就職活動を終えるよう働きかける行為や、内定を出す条件として長期的に学生を拘束する行為のことを指しており、現在社会問題となっています。

具体的には、就職活動中の学生に「他社を断ったら内定を決める」、「ここで就活を終わる意思を示せ」、「もう他社の面接は受けるな」などと発言する事や、示唆するような言動を企業側が行い、就活生に圧力をかけています。

2015年、経団連加盟企業が採用・選考時期を8月に後ろ倒しにしました。中堅企業やベンチャー企業、外資系企業は採用力の強い大企業と同じスタートラインでは勝てないので、既に内定を出しています。好景気も相まって、大企業が選考を始めると大量に辞退されてしまう可能性があるので、人事も内定者を確保しようと必死になりオワハラが横行しているのです。

そもそもこれは、加熱する就職活動に学生が付いていけなくなり、学業に専念する事ができない状況を懸念して政府が経団連に要請したことなのですが、現在法的拘束量が無い為に実際の開始時期は企業に委ねられている状況です。中小企業は優秀な人材を大手企業に取られたくない、学生は大手企業が不採用だった場合は後がない、そのような心理的状況から、オワハラという行為が生まれました。

オワハラが社会問題となった背景には、学生の二極化も原因の一つとなっています。就職の意識が高い学生は、早くから行動をして企業に接触していきます。多くの企業から内々定をもらい、最終的に入社する企業を決めることになります。優秀な人材を確保したい企業としては、せっかく採用を決めた学生に辞退されると、またイチから採用をやり直さなければいけないなどの採用コストもかかります。なによりも、優秀な人材が確保できたと思っていた企業側は大ダメージを受けることになり、優秀な学生を引き留めようとする企業側の苦しい施策があります。

また、大手企業も採用力が強いとはいえ、採用人数が大量なこともあり、人材確保が楽にできるというわけではありません。大手企業も事前に囲い込みを行い、8月の選考時期には既に内定者が決まっているということも少なくないようです。

とはいえ、学生側も人生を左右するかもしれない就職活動。企業側の都合に流されず、さまざまな企業・業界をしっかり見ることができる貴重な機会です。最近では、このようなオワハラについての相談を大学側やオワハラに屈しないためのノウハウがでています。このようなことが自分の身に起こったら、一人で抱え込まずに、とにかく家族や先生に相談するということが重要です。