「ソーシャルラーニング」とは、FacebookやTwitterといったSNSなどのソーシャルメディアをツールとして活用する学習のことです。

企業における学びの形態は、「フォーマルラーニング」と「インフォーマルラーニング」の2つに大きく分かれます。

フォーマルラーニングとは、集合研修やセミナーなどに参加し、目的に沿って練り上げられた内容を学ぶ、オフィシャルな学習形態です。決められた内容を決められた方法で学習するスタイルで、講師やインストラクターは教える側、参加者は教えられる側、と関係は固定的です。

これに対し、インフォーマルラーニングは、特に学習の場として設定されていない日常的な場の中で、定められていない内容を偶発的に学んでいく学習形態です。仕事の中で出てきた疑問点について先輩に質問したり、先輩の仕事のやり方を見て学んだり、チーム内のディスカッションで、「こういう考え方もあるのか」と視野を広げたりといったことがインフォーマルラーニングにあたります。

フォーマルラーニングの場合、上司から言われたので研修に参加するというように受動的になりがちですが、インフォーマルラーニングでは、主体的に自ら学ぶ側面が大きいことが特色。教える側、教えられる側の関係は流動的です。

ソーシャルラーニングは、インフォーマルラーニングに分類される学習形態で、ソーシャルメディアでのやりとりを通じて行うため、職場の人間関係に限定されず、業務上の接点がない人、全く面識のない人でも、同じソーシャルメディアに参加する人なら、誰とでも学び合うことが可能。従来のインフォーマルラーニングよりも、学びの幅や可能性は圧倒的に大きなものになります。

例えば、業務の上でわからないことについて誰かがソーシャルメディアで質問し、大勢の人から知見やノウハウが寄せられると、それらを会社全体でシェアできる知の財産として蓄積することができます。直面している課題をソーシャルメディアで投げかけ、同じ課題意識を持つ人同士でディスカッションをしたり、温めているアイデアを披露し、実現可能性について意見や評価をもらったりすることもできます。
このように、組織知の共有やイノベーションの創出などにより競争力強化にもつなげていけるという点で、ソーシャルラーニングへの企業の期待は高まっているのです。