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新人への関わり方 ~10パターンをマスターしよう~

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2015年11月20日

※本コラムは株式会社リクルートキャリアのReCoBook(レコブック)公式ブログから転載です。
 
新人の受け入れ、定着支援のために行われる組織内での支援のことを、
メンタルヘルスの世界では「ソーシャルサポート」と呼びます。

ソーシャルサポートには、つぎの4種類があるとされています。
 
【1.道具的サポート】仕事を手伝う、道具や資金といった物質的な支援を行う
【2.情 報 サポート】問題解決に役立つ知識や情報を提示する
【3.評価的サポート】行動の適切さを示す、良い点や課題をフィードバックする
【4.情緒的サポート】共感や励まし、ねぎらいを示す

1の「道具的サポート」は直接的な接点の中で行われるものですが、
2~4はメールやWEBなどの間接コミュニケーションを通じても行うことができます。

図

各関わりの具体的な内容と効果

 
【情報サポート】
情報サポートには、「正解」を具体的に教えるタイプの支援と、
妥当な判断を導くための考え方を教えるタイプの支援があります。

1. 業務知識を教える
業務に関わる知識、言葉、ルールや、人に関する情報提供や理解度を確認したり、教えることです。
2. より良い行動の仕方を教える
成果を上げるために必要な行動や、理由の説明です。

これら2つは、いわば「正解」を教える支援です。
次に同じような場面に遭遇したとき、適切な行動をとってもらうため
に必要な関わりです。

3. 考え方・価値観を教える 
仕事をしていくうえで重要な考え方や心掛けと、それらが重要である理由を伝えることです。
4. 本人の考えを引き出す 
行動の意味や重要性、成功や失敗の要因や改善点などを本人に問い、考えさせるアプローチです。

これらは状況に応じて適切な行動をとるための判断力を養う関わりといえます。

【評価的サポート】
5. 成長をほめる、6. 課題を特定する
現時点で何ができているかを知り、次に何をクリアする必要があるかを認識するのに必要な関わりです。
言い換えれば、新人が自信をつけ、新たな目標設定を行うのに役立つ関わりです

【情緒的サポート】
7. 受容・共感は新人の気持ち、
8. ねぎらい・応援・励ましは行動を認めて後押しする関わりです。
9. 感謝は、謝意を伝え新人の行動に価値があったことを示すものです。
10. 期待は、新人を職場の一員と認めていることを伝えるとともに、意識を今後に向けさせます。

これらの関わりは、新人が感じがちな孤独感を払拭し、安心感を生み出します。

※情報・評価・情緒面のサポートは、新人が健全に成長していくために一定量必要です。
安心感がない中で頑張り続けたり、自分から周囲に助けを求めたりするのは難しいものですし、
行動面は順調であっても、周囲に認めてもらえている感覚をもてなければ
モチベーションは落ちてしまいます。新人が入社後に周囲の環境に慣れるまでの間は
特に重点的にサポートすることをおススメします。
 

関わり方にもレパートリーを~

今回紹介した10パターンの中に、「よく行っているサポート」
「あまり使っていないサポート」がありませんでしたか? 
手薄だと思われる部分は意識的に補完しレパートリー豊かな関わりを目指しましょう。

今職場の方々が新人に対して行っていることは、実は今後の組織力にも大きな影響を及ぼします。
いずれ新人が育成担当・管理職になった時、自分が新人の時に周囲にされた関わりが、
自分が後輩や部下に対して関わる際の拠り所となるのです。
中長期的に組織の力を高める上でも、今、新人・若手に対してしっかりと関わることが重要です。

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