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階層別教育研修を考える①(新入社員研修編)

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2014年09月08日

各社の人事ご担当者様は、そろそろ「来期の新入社員研修」について、
考え始めていらっしゃるのではないでしょうか?

私共グローネス・コンサルティングは、教育研修会社として長年にわたって、
企業内教育研修をご提供してまいりました。本コラムでは、微々たるものではありますが、
私共の経験からくる「教育研修の在り方」について、述べさせて頂きます。
第一回は、「新入社員研修」についてです。

そもそも、どうして新入社員研修を実施するのでしょう。
一般的に、新入社員研修の狙いは、以下のようなものとされています。

1. 企業人としての意識、基本行動を修得する
・仕事に臨む態度と基本知識
・人間関係における基本姿勢
2. 成果に結びつける意欲と行動を身につける
・チーム活動における主体的な行動と自主性
・自らの個性と影響力の発揮

名刺交換や挨拶などのマナーはともかく、仕事への責任感や人間関係への姿勢などは、
残念ながら、一朝一夕に修得できるものではありません。
こうした「意識」については、仕事の中で、上司や先輩から叱られ、成功と失敗を繰り返し、
やがて自らを振り返った時に「身についていた」と気づくものなのです。

では何故、企業はコストを払ってまで、新入社員研修を実施するのか?
極端な話ですが、新入社員研修を実施せず、4月1日からいきなり現場に配属し、
OJTに全てを任せたとしても、新人は育っていきます。

しかし、新入社員研修を受講した、しないでは、社会人として最も重要な、
1年目~3年目までの成長速度と定着率には、明確に違いが出てきます。
いわゆる「学生気分」で、スタートをしてしまうからです。
新人研修の真の狙いとは、「学生」と「ビジネスパーソン」との
”ルールの違い”に気づかせることにあるのです。

例えば、学生とビジネスパーソンでは、時間への考え方が大きく違います。
学生は「積み上げ」で考えますが、ビジネスパーソンは「逆算」で考えます。
評価項目も違います。「一生懸命に努力した」は、ビジネスでは評価されません。
「楽をして、結果を出した」が最も評価をされるのです。

新入社員研修では、こうした「ルールの違いに気づかせる内容」にするべきでしょう。
次回は、具体的に「新入社員研修の内容」について、考えていきたいと思います。

株式会社グローネス・コンサルティング
内藤 広宣

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